2002 Fiscal Year Annual Research Report
網膜神経節細胞特異的な免疫毒素を用いた新しい緑内障モデルの確立
Project/Area Number |
14770945
|
Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
東出 朋巳 金沢大学, 医学部附属病院, 助手 (20291370)
|
Keywords | 網膜 / 免疫毒素 / 緑内障 / ラット |
Research Abstract |
免疫毒素硝子体内注入モデルの作成 アポトーシスによる細胞死を引き起こすリボゾーム不活性化タンパクであるSaporinと網膜神経節細胞表面に選択的に発現しているThy-1に対する抗体を結合した免疫毒素(OX7-SAP, Advanced Targeting Systems, CA, USA)5μgをBrown Norwayラットの片眼の硝子体内に投与した。対照として抗ヒトIgG抗体10μg、抗Thy-1抗体2.5μgおよびSaporinを硝子体内に投与した。 硝子体内投与7日後に眼球摘出し、4%パラフォルムアルデヒドで固定し、凍結ミクロトーム(クリニカット、ブライト社)で網膜の凍結切片を作成した。OX7-SAP、抗ヒトIgG抗体、抗Thy-1抗体を投与した眼には、著明な網膜障害はみられなかったが、Saporin 5μgを投与した眼には、特に外顆粒層および視細胞層に著明な変性がみられた。Saporin 0.5μgを投与した眼においても同様な変化が軽度にみられた。 抗Thy-1抗体とFITC標識による免疫染色において、OX7-SAPを投与した眼においてのみ網膜神経節細胞層の蛍光の減弱がみられた。 硝子体内投与1ヶ月後、走査レーザー検眼鏡でラット眼底を観察したところ、OX7-SAPを投与した眼において神経線維層の反射の減弱がみられた。 したがって、OX7-SAPのラット硝子体内投与によって、網膜神経節細胞選択的な網膜障害モデルを作成できる可能性が示された。
|