2002 Fiscal Year Annual Research Report
遺伝子欠損マウスを用いた光障害による網膜視細胞死の分子解析
Project/Area Number |
14770948
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
新井 純 信州大学, 医学部附属病院, 助手 (70334894)
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Keywords | 網膜光障害 / 網膜視細胞 / アポトーシス / caspase-1 / caspase-3 / 遺伝子欠損マウス |
Research Abstract |
1.caspase-1ノックアウトマウス、caspase-3ノックアウトマウス(ヘテロ)と、その野生型マウス(C57BL/6)の右眼を散瞳した後に、白色蛍光灯を20000ルクス、2時間照射した。 2.光照射後12、24、48、168時間後のそれぞれで網膜電図(ERG)検査を行い、電気生理学的に両者を比較した。a波、b波とも、光照射後48時間でcaspase-1ノックアウトマウスは野生型より有意に高値を示した。caspase-3ノックアウトマウス(ヘテロ)の各時間でのa波、b波は野生型マウスに対して有意差が見られなかった。 3.光照射後12,24,48時間のそれぞれでマウス眼球摘出・固定し、その網膜のパラフィン切片、凍結切片を作成した。 4.作成した標本において、TUNEL法(Gavrieli et al. J.C.B.1992)による染色を加え、網膜視細胞層でアポトーシスを起こしている細胞を検出した。各時間経過において、caspase-1ノックアウトマウスではTUNEL陽性細胞数は野生型と比較して有意に減少していた。caspase-3ノックアウトマウス(ヘテロ)ではTUNEL陽性細胞数は野生型マウスと比較して有意差が見られなかった。 5.網膜凍結切片を用いて免疫組織化学的検討を行った。野生型マウスの網膜視細胞層においてcaspase-1抗体陽性細胞数は光照射24時間後に照射前よりも増加していた。 以上の結果からマウス網膜光障害による網膜視細胞のアポトーシスにcaspase-1が大きく関与していることが示唆された。更にcaspase-1の網膜光障害への関与について詳細に検討する予定である。
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