2003 Fiscal Year Annual Research Report
1型および2型トランスグルタミナーゼ-その角結膜上皮分化における役割
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14770960
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
俊野 敦子 愛媛大学, 医学部附属病院, 助手 (20253312)
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Keywords | I型トランスグルタミナーゼ / II型トランスグルタミナーゼ / 角膜 / 創傷治癒 / IFN-γ / TGF-β / ラミニン / ファブリノーゲン |
Research Abstract |
ヒト不死化角膜上皮細胞(HCE細胞)をもちいて、TG-1およびTG-2mRNAの発現に影響を与える因子につき検討をおこなった。その結果IFN-γ投与によりTG-1mRNAの発現は増強し、TG-2mRNAの発現に影響はなかった。一方TGF-β投与によりTG-2mRNAの発現は増強し、TG-1m RNAの発現に影響はなかった。IFN-γ投与により増強したTG-1mRNAの発現はTGF-β投与により抑制され、またIFN-γ投与下でのTG-2mRNAの発現はTGF-β投与により増強した。all-trans retinalはHCE細胞においてTG-1、TG-2mRNAの発現に影響を与えなかった。 角膜におけるTG-2の発現、作用に関する報告はほとんどない。そこで正常ラット角膜および角膜上皮欠損治癒過程におけるTG-2の発現を、その基質と考えられる細胞外基質の発現とともに観察、検討した。正常角膜ではTG-2は上皮、実質細胞および内皮に認められ、上皮では基底細胞にやや強い発現が認められた。角膜上皮創傷治癒過程においてTG-2mRNAの発現は1,2日目に上昇しており、その局在は上皮では創傷負荷部分の基底細胞および基底膜に強く認められ、実質では上層部の実質細胞に認められた。同時に検討した細胞外基質では、創傷治癒過程においてTG-2の発現が増強していた創傷負荷部分の基底細胞および基底膜において、ラミニン/ニドジェン、フィブリノーゲンの発現がTG-2の発現と同調して認められ、TG-2がこれらの基質を重合・安定化することにより、角膜上皮創傷治癒促進に働く可能性が示唆された。一方、角膜実質では創傷治癒早期にTG-2発現の増強していた実質細胞周囲の実質上層に、フィブリノーゲンの発現がTG-2の発現と同調して認められ、フィブリノーゲンの重合にTG-2が働き、実質細胞の遊走に関与している可能性が示唆された。
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Research Products
(1 results)