2003 Fiscal Year Annual Research Report
マウスモデルを用いた角膜ヘルペスに対する予防ワクチン投与の効果と免疫応答の解析
Project/Area Number |
14770966
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Research Institution | 大分医科大学 |
Principal Investigator |
池脇 淳子 大分大学, 医学部, 助手 (50336278)
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Keywords | INOSINE / EIU / サイトカイン |
Research Abstract |
平成14年度に行ったマウスの角膜ヘルペスモデルでのINOSINEの抗炎症効果に着目し、平成15年度はラットのぶどう膜炎モデルを用いてその効果を調べた。ラットのぶどう膜炎モデルはlipoplysaccharide(LPS)の注入により誘導されるEndotoxin-induced uveitis(EIU)を採用した。このモデルでは細胞性炎症反応の刺激によりNOやPGE2、TNF-aを含むサイトカイン、eicosanoid mediatorsが産生される。一方、INOSINEはadenosine deamininaseによってadenosineが分解される過程で生じるプリン体であるが、receptor-mediated signalingに関与し、また炎症反応の修飾作用が非常に強い物質であることが明かとなってきている。2000年には、INOSINEがLPSで刺激されたマウスマクロファージより産生されるproinflammatory cytokineを減少させることが報告された。マウスの角膜ヘルペスモデルでもINOSINEの抗炎症効果が若干認められたため、今回眼炎症性疾患モデルでもその効果を確認したいと考え、実験を行うこととした。方法はLewis ratにLPSを注入してぶどう膜炎を惹起させ、INOSINE投与群と非投与群との間で眼炎症に差異がみられるかどうかを調べた。細隙灯顕微鏡所見および病理組織所見でもINOSINE投与群で前部ぶどう膜炎が軽度であり、採取した前房水中の細胞数もINOSINE投与群で有意に減少していた。現在、INOSINE投与群と非投与群の間で前房水中のNOやPGE2、TNF-aを含むサトカイン量の比較を行い、その抗炎症作用機序の解明を行っている。
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