2002 Fiscal Year Annual Research Report
非酵素的糖化後期生成物による網膜色素上皮細胞の老化誘導過程の解明とその予防的治療
Project/Area Number |
14770981
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Research Institution | Tazuke Kofukai Medical Research Institute |
Principal Investigator |
本田 茂 財団法人田附興風会, 医学研究所・第4研究部, 研究員 (60283892)
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Keywords | 網膜色素上皮細胞 / 老化 / DNA損傷 / スロットブロット / Advanced glycation endproduct / アポトーシス / 酸化ストレス / DNA修復 |
Research Abstract |
少量のサンプルからDNAダメージの定量を行うため、培養網膜色素上皮細胞からの抽出DNAに超音波やピペッティングなどの物理的損傷または過酸化水素による化学的損傷を与え、DNA末端をポリA鎖にて標識した後スロットブロットを行う方法で分析した。結果、20ngの染色体DNAがあればダメージ定量が充分可能であり、ダメージの程度によっては2ngのDNAサンプルからも定量可能であった。このサンプル量では従来のゲル電気泳動を主体とした方法では分析不可能であった。 Advanced glycation endproduct(AGE)負荷群ではコントロール群と比べてDNAダメージが上昇していた。これは細胞内における酸化ストレスが上昇していることと関係しているものと考えられるが、酸化ストレスは幾つかの系を通してアポトーシスを誘発することが分かっており、またAGEによるアポトーシス誘導も認められたことからDNAダメージが酸化ストレスによる直接的なものか、アポトーシス誘導の過程で起こっているものかをさらに詳細に解析する必要がある。 AGE負荷による遺伝子の発現変化ではTGF-β2やTNF-αあるいはP53、Caspase8などのアポトーシス関連遺伝子の発現上昇が見られる一方、DNA修復関連遺伝子やBcl-2、HSP70などの抗アポトーシス遺伝子の発現低下が見られた。これらの遺伝子発現変化は老化RPEの誘導に関与していると考えられ、また実際の培養細胞も老化細胞の形態を示す事から興味深い。 結果の一部は現在欧文誌に投稿中である。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Honda S, Hjelmeland LM, Handa JT: "Senescent associated beta-galactosidase activity in RPE cells exposed to hyperoxia in vitro"British Journal of Ophthalmology. 86・2. 159-162 (2002)
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[Publications] Honda S, Shiba K, Matsuo A, Saito I: "The histopathological study of double-layered anterior lens capsules found In cataract surgery"Investigative Ophthalmology and Visual Science. 44. 209 (2003)
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[Publications] Matsuo A, Honda S, Toda H, Saito I: "The postoperative rotation of Implanted intraocular lenses"Investigative Ophthalmology and Visual Science. 44. 259 (2003)
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[Publications] 本田茂: "再生における細胞増殖能とテロメア"眼科診療プラクティス. 6. 130-132 (2003)
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[Publications] 本田茂: "眼の老化"眼科ケア. 4・10. 949-952 (2002)
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[Publications] 本田茂 他: "眼科学"文光堂. 1525 (2002)