2002 Fiscal Year Annual Research Report
脊髄髄膜瘤による下肢運動障害の胎児診断への超磁気の応用
Project/Area Number |
14770988
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Research Institution | Jikei University School of Medicine |
Principal Investigator |
篠原 寿彦 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助手 (90328328)
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Keywords | 脊髄髄膜瘤 / 胎児 / 超磁気 |
Research Abstract |
本年度の目標は、(1)正常な妊娠羊を用いて、母羊の体外から、胎児の脳(運動野)に超磁気刺激を加えて、四肢の運動の様子を超音波で観察すること。 (2)超磁気による刺激が、在胎何日目から、観察可能になるかを、妊娠の週齢ごとに観察すること。羊胎児の右脳を超磁気で刺激して、左下肢の運動を超音波で観察する。 (3)超磁気が胎児脳に及ぼす影響を脳波および脳の病理学的観察によって検討すること。 であった。 磁気刺激発生装置には、日本光電のSMN-1200を用いた。本装置は、磁気パルスにより渦電流を誘起し、神経および筋を刺激することができる装置である。胎児脳への刺激方法は、母体の腹部において、母体の皮膚の上から、本装置を用いて、胎児脳を刺激する方法である。そのメカニズムは、1T(テスラ)オーダの強力なパルス磁場によって経頭蓋的に脳神経を刺激するものである.母体腹部上にコイルを置き,コイルに大電流を150μsec程度瞬間的に流し,1Tオーダのパルス磁場を発生させる.このパルス磁場で脳内に渦電流を誘起させ,この渦電流で脳神経を刺激する. 本年度は、正常な妊娠羊2匹を用いて、研究をおこなった。 妊娠50日〜妊娠100日までの間、1T、100μsecで胎児脳を刺激した。妊娠50日目においてもすでに、脳の刺激によって下肢の運動を確認することができた。これを1〜2週間隔に施行したところ、いずれの段階においても、下肢の運動を観察することが、可能であった。 胎児は、妊娠120日で摘出して、現在、脳組織を固定、病理組織標本を作成中である。
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