2003 Fiscal Year Annual Research Report
上眼瞼ミュラー筋における求心性神経終末に関する組織学的研究
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14770991
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
杠 俊介 信州大学, 医学部, 助手 (10270969)
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Keywords | ミュラー筋 / 上眼瞼挙筋 / 不随意収縮 / 涙腺神経 / 解剖 / 免疫組織化学 / 求心路 / 有髄神経 |
Research Abstract |
ミュラー筋の神経支配の詳細を検索するために研究を行った。 平成14年度、ヒトの上眼瞼と眼窩内の解剖と組織学的検索により、ミュラー筋は近位部で涙腺神経につながる神経から神経支配を受けており、その中に、遠心路である無髄のカテコールアミン作動性交感神経節後線維と、求心路と考えられる有髄の自律神経でない神経線維が含まれているという結果を得た。すなわち、ミュラー筋は、涙腺神経内を通ってきた交感神経節後線維の刺激により収縮を起こすとともに、ミュラー筋自体の緊張状態を涙腺神経につながる有髄神経を介して中枢に伝えており、それが上眼瞼挙筋の不随意収縮、すなわち開瞼の持続を起こすものと推察した。 平成15年度は、実際に涙腺神経を切断した場合に眼瞼に変化が現れるかどうかを動物実験により検討した。実験動物としてラットを選択した。まずラットの脳から眼窩内、さらに眼瞼にいたる神経の走行を実体顕微鏡下に観察し、三叉神経第一枝の分枝と涙腺神経の位置を同定した。ラット15体で、三叉神経第一枝の分枝である眼窩上神経の中枢端および涙腺神経の切断実験、ならびに上頚部交感神経節の切除実験を各群5体ずつ行った。眼窩上神経の切断を行っても眼瞼には変化は生じなかった。涙腺神経を切断すると上眼瞼の下垂を生じた。上頚部交感神経節の切除を行うと、上眼瞼下垂のみならず眼球の突出が無くなり、下眼瞼の下方移動も悪くなり、結果的には3群の中では最も瞼裂幅が狭くなっていた。この結果は、涙腺神経内に上眼瞼挙上に関係した神経線維が存在することを示唆するもので、ヒトの解剖と組織検索から推察した内容に一致するものと考えた。
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