2002 Fiscal Year Annual Research Report
経皮的遺伝子導入による皮膚疾患の新しい治療法の開発に関する研究
Project/Area Number |
14770992
|
Research Institution | Kagawa Medical School |
Principal Investigator |
川添 剛 香川医科大学, 医学部附属病院, 助手 (20325351)
|
Keywords | マイクロスフェア / リポソーム / アスピリン / FGF / アスピリン / サリチル酸 / 経皮吸収 / 高分子 |
Research Abstract |
近年、特殊な担体を用いることにより、従来経口投与が不可能だった高分子物質の経口投与による吸収、さらにその高分子物質の作用の発現が確認され注目されてきている。しかしながら、高分子物質の特殊な担体を用いた経皮吸収に関してはほとんど明らかにされていない。 本年度、古くから知られるアセチルサリチル酸(アスピリン)とポリペプチドである線維芽細胞増殖因子(FGF)の経皮吸収について検討した。アスピリンはシクロオキシゲナーゼ活性を阻害することにより解熱、鎮痛、血小板凝集抑制などの作用を示す。また近年肺癌、大腸癌のリスクを軽減する可能性が高い事も報告されてきている。しかしながら生物学的半減期が短く、局所での有効濃度を保つ事が難しいので、アスピリンを経皮吸収により徐放させることを試みた。また、創部でのFGFを徐放する事も試みた。 まず、ワセリンを基材として0〜4%アスピリン軟膏を作製した。そして糖尿病マウスの背部にアスピリン軟膏を塗布した。アスピリンは経皮吸収が可能であることが分かり、また、背部に創を作製しそこに塗布した場合には、創が早く治ることがわかった。 またFGFにおいてもゼラチンを担体としてもちいる事により、効率よい吸収と、徐放化に成功した。 今後、本年度の実験の追加とその他の物質での検討を行う予定である。
|
Research Products
(3 results)
-
[Publications] 鈴木茂彦: "皮膚組織の再生とbFGF徐放"遺伝子医学. 6・3. 68-71 (2002)
-
[Publications] 佐生泰美: "cell-preconfluentな複合型培養皮膚の作製と移植実験"日本熱傷学会会誌. 28. 326-332 (2002)
-
[Publications] Shigehiko Suzuki et al.: "Recent Research Development in Biomaterials ; Biomaterials for plastic and reconstructive surgery"Research Signpost. 253-274 (2002)