2003 Fiscal Year Annual Research Report
デンタルプラーク形成に伴うバイオフィルム内の口腔細菌の動態
Project/Area Number |
14771011
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Research Institution | Tokyo Dental College |
Principal Investigator |
山中 あゆみ 東京歯科大学, 歯学部, 助手 (40231667)
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Keywords | デンタルプラーク / バイオフィルム / 口腔レンサ球菌 / クランベリー / 歯周病原性細菌 |
Research Abstract |
口腔細菌のバイオフィルムモデルを構築するために初期付着細菌と後期付着細菌の橋渡し細菌といわれるFusobacterium nucleatumと初期付着細菌、歯周病原性細菌の組み合わせでハニカム状コラーゲンスポンジ(Type I)と線維芽細胞を用いてF.nucleatumの存在によって歯周病原性細菌の付着数に変化があるか調べた。同一菌種でも株の違いにより異なった結果が得られ、単純に菌種同では説明できない複雑な共凝集が存在する結果が得られた。また、F.nucleatumによる強い付着助長作用は見られなかった。昨年に引き続きクランベリーによる付着阻害やバイオフィルム形成阻害効果について菌株を増やし、さらに検討を加えた。バイオフィルム形成阻害効果には細胞培養用プレートヘの付着能の強い菌株を使用した。初期付着細菌からはStreptococcus sanguinis ATCC10556、S.mitis ATCC9811、S.oralis ATCC10556、う蝕原性細菌からはS.sobrinus 6715、S.mutans JC2、S.criceti E49を用いてクランベリーを蒸留水で透析した高分子量標品添加培弛と非添加培地によってバイオフィルム形成量を比較した。結果は濃度依存的にバイオフィルム形成量を抑制した。これらの口腔レンサ球菌に対するクランベリーの効果をまとめて投稿した。クランベリーによるF.nucleatumと歯周病原性細菌、Porphyromonas gingivalisとTreponema denticola間の共凝集はActinobacillus actinomycetemcomitansとF.nucleatum間以外は阻害された。この共凝集の結果から初期付着細菌と後期付着細菌である歯周病原性細菌間との付着を阻害できることが示され、クランベリーの歯周病原性細菌のバイオフィルム形成阻害効果が期待できるかもしれない。さらに研究を進めたい。
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