2002 Fiscal Year Annual Research Report
歯周病原細菌の菌体表層複合糖質の構造学的・免疫分子生物学的研究
Project/Area Number |
14771014
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Research Institution | Asahi University |
Principal Investigator |
橋本 雅仁 朝日大学, 歯学部, 助手 (30333537)
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Keywords | 口腔細菌 / Prevotella intermedia / 歯周病 / 歯周炎 / 病原因子 / 複合糖質 / リポ多糖 / リピドA |
Research Abstract |
ヒト歯肉縁下プラーク中に存在する黒色色素産生グラム陰性嫌気性桿菌の一種であるPrevotella intermediaは、歯周病、なかでも歯肉炎との関係が注目されている。しかしながら、これら歯周炎に対するP.intermediaの病原因子およびその秒低形成機構についてはいまだ不明な点が多く残されている。そこで、P.intermediaの菌体表層に存在するリポ多糖や今日莢膜多糖などの複合糖質に注目し、その化学構造を解析するとともに免疫分子生物学的性状を明らかにするために研究を計画した。 本年度は、P.intermedia由来複合糖質としてリポ多糖の抽出をおこない、その活性中心であるリピドAの精製をおこなった。P.intermediaは嫌気性条件下で培養、集菌した。凍結乾燥菌体から温水-フェノール法を用いて抽出操作をおこなうと、リポ多糖と同時に菌体外多糖などの多糖成分が抽出され、リポ多糖自体の精製は困難であった。そこで、P.intermediaのリポ多糖が短鎖のラフ型であることを利用して、フェノール-クロロホルム-石油エーテル法を用いて抽出した。その結果、リポ多糖のみを効率良く抽出することに成功した。ついで、リポ多糖を弱酸加水分解することによりリピドA画分を得た。本画分はリピドA以外に複数の成分を含むことが薄層クロマトグラフィーによって確認された。そこで、リピドA画分をカラムクロマトグラフィー、分取薄層クロマトグラフィーを用いてさらに精製した結果、二次元薄層クロマトグラフィーで単一スポットを示すリピドAを得た。 今後、この成分の化学構造および免疫分子生物学的性状を明らかにすることを考えている。
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