2002 Fiscal Year Annual Research Report
歯周病菌Porphyromonas gingivalisの線毛形成機構
Project/Area Number |
14771015
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Research Institution | Aichi Gakuin University |
Principal Investigator |
西山 宗一郎 愛知学院大学, 歯学部・微生物学講座, 助手 (30343651)
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Keywords | 歯周病 / 線毛 / 付着因子 / 二成分制御系 / シグナル伝達 / トランスポゾンmutagenesis |
Research Abstract |
本研究では歯周病菌Porphyromonas gingivalis(以下P.g.と略記)を用い,病原因子である線毛の形成機構の解明を目指し解析を行っている. <1.既得線毛欠損株の解析> 当研究室で単離された線毛欠損株のうち,解析が完了していない株を調べた.パルスフィールドゲル電気泳動やサザンブロッティングにより,既知の遺伝子に変異を持たない新規の線毛欠損株を発見した.現在これらのクローニング中を行っている.終了次第塩基配列解析を行う. <2.線毛構成タンパク質FimAや線毛発現制御センサーFimSの相互作用因子の探索> 最近開発された,大腸菌を用いたtwo-hybrid系を用いて,線毛構成タンパクFimAや,線毛の発現制御に関わる二成分制御系センサーFimSと相互作用する因子の探索を試みた.bait(釣り餌)としてfimAやfimS遺伝子をクローニングし,P.g.の染色体DNAライブラリをtargetとして実験を行ったが,有望なcandidatesは得られなかった.融合タンパクの発現を考慮すると,染色体DNAライブラリでは効率が良くないので,今後はP.g.のmRNAからcDNAライブラリを作製し,targetとして使用する予定である. <3.線毛欠損・輸送異常変異株の単離同定> 改良型トランスポゾンと接合を用いたmutagenesisを用い,新規線毛欠損株の単離同定を試みている.また,線毛タンパク質の輸送変異体の単離も目指している. 現在十分な数の接合体が得られておらず,効率の良い条件を模索中である.条件が確定し大量の接合体が得られた後,ユロニーブロッティング法による一次スクリーニング,抗線毛抗体を用いた凝集反応とウェスタンブロッティングによる二次スクリーニングを行う予定である.またPCRにより既知遺伝子に変異を持つものは解析前に除外する.新規線毛欠損株と輸送異常株の単離が期待される.
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