2003 Fiscal Year Annual Research Report
歯周病原性プロテアーゼに対する生体反応と心循環系傷害機序に関する研究
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14771023
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
筑波 知子 (門脇 知子) 九州大学, 大学院・歯学研究院, 助手 (70336080)
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Keywords | 歯周病 / プロテアーゼ / 生体反応 / Porphyromonas gingivalis |
Research Abstract |
グラム陰性偏性嫌気性細菌Porphyromonas gingivalisは歯周炎の発症・進行において最重要視されている病原性細菌であり、菌体表面および菌体外に強力なプロテアーゼを産生する。なかでもジンジパインは本菌の産生する主要なプロテアーゼであり、ペプチド切断部位特異性の異なるArg-gingipain(Rgp)とLys-gingipain(Kgp)が存在することがわかっている。両酵素は相互に協力しながら生体タンパク質の分解を引き起こし、宿主細胞に傷害を与え、歯周病に関連する種々の病態を生み出すと考えられている。最近、歯周病が心筋梗塞、早産・低体重児出産などの全身疾患のリスクファクターであることが指摘されるようになり、アテローム性動脈硬化症患者の血管内プラークの45%にP.gingivalisが検出されるとの報告もある。我々は歯肉線維芽細胞や血管内皮細胞に対してRgp・Kgpを作用させると、接着性が失われ、細胞死を引き起こすことを見出した。また、一部のP.gingivalisは血管内皮細胞に侵入した後、一過性にオートファゴソームに局在することがわかった。これは細胞が通常のエンドソーム・リソソームシステムによって本菌を消化殺菌できずオートファジーを起こすことを示唆している。この一方で、RgpとKgpに対するそれぞれの特異的阻害剤ならびに両酵素を同時に阻害する二重阻害剤を天然および合成から探索し、本菌の持つ生体タンパク質分解活性や血球凝集活性、細胞傷害性に与える影響を調べた。当研究室において新規に開発、作製されたRgpおよびKgpの特異的阻害剤によってこれら病原性に関連した本菌の特性はほとんど消失することから、歯周病と関連全身疾患が、これら酵素を阻害することで制御できる可能性が示された。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Kadowaki T.et al.: "Isolation and characterization of a novel and potent inhibitor of Arg-gingipain from Streptomyces sp.strain FA-70."Biol Chem. 384(6). 911-920 (2003)
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[Publications] Kadowaki T.et al.: "Gingipains as the determinants of periodontopathogenicity."Nippon Yakurigaku Zasshi. 122(1). 37-44 (2003)
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[Publications] Tsukuba T.et al.: "Chaperone interactions of the metalloproteinase meprin A in the secretory or proteasomal-degradative pathway."Arch Biochem Biophys.. 397(2). 191-198 (2002)
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[Publications] Moriguchi S.et al.: "Potentiation of NMDA receptor-mediated synaptic responses by microglia"Mol.Brain Res.. 119. 160-169 (2003)
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[Publications] Hasegawa Y.et al.: "A Novel Type of Two-Component Regulatory System Affecting Gingipains in Porphyromonas gingivalis"Microbiol.Immunol.. 47(11). 849-858 (2003)
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[Publications] Kadowaki T.et al.: "Suppression of Virulence of Porphyromonas gingivalis by Potent Inhibitors Specific for Gingipains"Current Protein and Peptide Science. 4. 451-458 (2003)