2003 Fiscal Year Annual Research Report
頸部リンパ流の画像化によるリンパ節転移進展の実験的解析研究
Project/Area Number |
14771040
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
筑井 徹 九州大学, 大学病院, 講師 (10295090)
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Keywords | リンパ節転移 / in vitro MRI / 拡散強調画像 |
Research Abstract |
平成15年度は頸部リンパ節転移モデルの作成、超音波法でのリンパ節腫大の観察、摘出リンパ節のin vitro MRIの撮像を手がけた。 ウサギにVX2腫瘍細胞を口底部に移植し、頸部にリンパ節転移を試みた。約一週間に一回の割合で超音波B-modeおよびPower Dopper modeにてリンパ節腫大を確認した。摘出切片との対応より転移リンパ節では腫瘍塊が血流のない部分として描出され、腫瘍細胞の増大と共にリンパ節全体の血流が認められなくなった。 次に、ウサギを屠殺後、頸部リンパ節を摘出し、直径11cmの容器に水を満たした中に、摘出リンパ節をいれin vitro MRIの撮像をした。SE法のT1-WIおよびT2-WIを撮影したが、腫瘍巣と正常リンパ組織との間に明らかな信号強度差を認めなかった。 次にSE法のsequenceにx,y.zの各々3軸に傾斜磁場を加えて拡散強調画像を作成した。なお3つの画像の信号強度の積をとり、三乗根を取ることによって異方性拡散の影響を排除した等方性拡散強調画像(isotrophic DWI)を作成した。その上で、リンパ節全体を囲む様にROIを設け、ADCを算出した。 摘出直後に関しては、転移リンパ節と非転移リンパ節にADCの有意差を認めなかったが、necrosisを広汎に起こしているリンパ節に関しては非転移リンパ節にくらべ、DWIでの信号強度は低下しており、ADCが上昇していた。一方、明らかなnecrosisを起こさずに間質性の反応の強いリンパ節に関してはADCの上昇を認めなかった。以上の結果からADC値の転移巣での変化は、転移後の組織変化を反映するものであったが、ADCの増減のみで、転移の有無を判断するのが難しいと考えられた。
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