2002 Fiscal Year Annual Research Report
老人性肺炎の病態解析(マウス肺炎モデルを用いた口腔細菌バイオフィルム感染による病態解析)
Project/Area Number |
14771046
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Research Institution | Tokyo Dental College |
Principal Investigator |
君塚 隆太 東京歯科大学, 歯学部, 助手 (90287178)
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Keywords | マウス / バイオフィルム / Porphyromonas gingivalis / Actinobacillus actinomycetemcomitans / Treponema denticola / 肺炎マウス |
Research Abstract |
目的:私共は、マウス肺炎モデルを導入しこれらの歯周病原菌の単独あるいは混合感染させたときの菌の消長および炎症性サイトカインの誘導などを検討してきた。その結果私はplanktonicな状態のPorphyromonas gingivalis, Treponema denticola, Actinobacillus actinomycetemcomitansなどの歯周病原菌を気管内に接種することで肺炎を起こすことを示した。本研究ではバイオフィルムを作製しこれらをマウスに感染させ、経時的に肺胞洗浄液を回収し解析する目的で本年度はバイオフィルム作製を試みた。 方法:P.gingivalis, T.denticola, A.actinomycetemcomitansなどの歯周病原菌をそれぞれブロスで嫌気培養した。集菌し菌体を新鮮なブロスで調整しその200μlをマルチコートの96ウエルに接種し対数増殖期後期まで嫌気培養を行った。培養後planktonic菌を除去しPBSで2回洗浄した。その後Crystal violetを加え20分反応させ洗浄後99%エタノールで色素を抽出した。 結果および考察:A.actinomycetemcomitansでphenotypeの違いによりバイオフィルム形成の差が認められた。P.gingivalis, T.denticolaに関してはバイオフィルム形成はほとんど認められなかった。しかしながらP.gingivalisの一部の臨床分離株にバイオフィルム形成を認めた。これらのことから同菌種においてもバイオフィルム形成能は大きくことなることがわかった。来年度はこれらのことを踏まえ実際にマウスにバイオフィルム状態となった菌を感染させその病原性を解析していきたいと考えている。
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