2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14771050
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
平田 政嗣 東北大学, 大学院・歯学研究科, 助手 (70312593)
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Keywords | 歯根膜 / 人工歯根 / 歯根膜由来線維芽細胞 / 立体培養 / マイクロキャリア / 細胞工学 / コラーゲン / アルカリホスファターゼ |
Research Abstract |
現在広く歯科応用されている人工歯根(インプラント)は、天然歯根修復と違いその周囲に歯根膜を有しないため、様々な問題が存在する。そこで、歯根膜由来線維芽細胞を用いて人工歯根周囲に歯根膜を再構築する必要がある。近年、付着依存型細胞の大量培養法としてマイクロキャリアー培養法が開発・応用されてきている。これまでの我々の研究において、マイクロキャリアー培養法が歯根膜線維芽細胞にも応用可能であり、その足場および移植担体(scaffold)としてコラーゲンゼラチン製の多孔性マイクロキャリアーに関して適用可能であることが判明した。 今回、マイクロキャリア上における歯根膜線維芽細胞の特性を調べるためにアルカリホスファターゼの発現を検討した。また、担体としてのコラーゲンの架橋構造を変化させ細胞の付着状態の違いを検討した。 1.マイクロキャリア培養法において、歯根膜線維芽細胞は撹拌回転というある種のストレスを受けることによって、ALP活性が上昇した。この結果は、マイクロキャリア培養された骨芽細胞では、撹拌回転の有無によってALP活性の相違が見られたとの報告や、平板培養であるが、歯根膜線維芽細胞が伸展刺激によってALP活性を上昇させたとの報告とも一致する。 生体内で歯根膜は常にストレスを受けている組織であり、石灰化はしないもののALP活性が高い組織である。生体内に応用する際に、いかなる表現型の細胞を応用すべきかは検討が必要であるが、ALP活性に関しては当培養法で、ある程度調整可能であることが示唆された。 2.加熱処理を行うことにより架橋構造を変化させたコラーゲンに歯根膜線維芽細胞を播種したところ、架橋処理したコラーゲンはその内部まで細胞が進入していたが、架橋していないコラーゲンでは細胞の伸展は表層にとどまった。また、ラット顎骨内に架橋コラーゲンを埋入した実験では、架橋コラーゲンを埋入した実験群で異所性に骨組織の膨隆が確認され、架橋コラーゲンがスペースメイキングとしての機能を有し、骨組織や歯根膜組織再構築におけるscaffoldとして利用できる可能性が示唆された。
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Research Products
(5 results)