2003 Fiscal Year Annual Research Report
シリカーフッ素化合物を利用した象牙質コラーゲン固定による象牙質齲蝕予防効果
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14771054
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
川崎 有希子 徳島大学, 歯学部, 助手 (60294708)
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Keywords | 象牙質 / 象牙質齲蝕 / フッ化ジアミンシリケート / フッ化ジアンミン銀 / サホライド / テトラメトキシシラン / コラーゲン |
Research Abstract |
齲蝕予防に関して、エナメル質の歯質強化が有効とされているが、齲蝕が一度発症した症例に対しての齲蝕進行抑制を期待する場合には、無機質主体のエナメル質の脱灰を抑制するだけでなく、コラーゲンなどの有機質含有量に富む象牙質の崩壊を抑制する必要がある。現在、臨床において多用されているフッ化ジアンミン銀(サホライド)はその両方の効果を有してはいるが、歯質の変色が起こることから永久歯においての使用は制限されてきた。そこで、申請者はシリカのコラーゲン固定効果に着目し、フッ化ジアンミン銀の銀をシリカに置換したフッ化ジアミンシリケートについて検討してきた。本研究では、フツ化ジアミンシリケートのコラーゲン固定能を定量的に評価するために、TypeIコラーゲンをフッ化ジアミンシリケートにて処理した後、寒天に包埋し、塩酸コラゲナーゼによるコラーゲンの崩壊度の定量を行った。また、シリカ単体による効果を確認するためシリカ単体化合物であるテトラメトキシシランをコラーゲンに作用させ同様の検討を行った。対照群としてはコラーゲンを蒸留水、フッ化ナトリウム、フッ化ジアンミン銀で処理したものを準備した。蒸留水およびフッ化ナトリウムで処理したコラーゲンは、短期間でコラーゲンの崩壊が生じたのに対して、フッ化ジアミンシリケートで処理したコラーゲンは完全に崩壊するのに20日以上を要した。一方、シリカ単体およびフッ化ジアンミン銀で処理した場合、1か月経過の時点においてもコラーゲンの崩壊はほとんど認められなかった。以上の結果より、シリカおよび銀イオンのコラーゲン繊維への作用は、コラーゲン繊維の崩壊を抑制しており、コラーゲンの固定能を有することが示唆された。したがって、フッ化ジアミンシリケートはフッ素による無機質の脱灰抑制効果とシリカによる有機質の崩壊抑制効果の両面から象牙質齲蝕の進行を抑制することが可能であると考えられた。
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Research Products
(1 results)