2002 Fiscal Year Annual Research Report
患者の感覚に基づいたEBM構築のためのインプラント治療成積の評価-日本語版OHIPを用いた無作為化比較対照試験-
Project/Area Number |
14771087
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
中居 伸行 広島大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助手 (90284215)
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Keywords | インプラント / 口腔内QOL / OHIP / 遊離端欠損 / 可撤性部分床義歯 / 患者の満足度 / 歯科治療の介入 |
Research Abstract |
インプラントが患者の健康と幸福にどのように貢献するかを、信頼性・妥当性が検証されている口腔内QOLに敏感な測定方法を用いてエビデンスを構築することが急務であると考えられた。 われわれはまずSladeらによって開発されたthe Oral Health Profile Profile(OHIP)の等価性に配慮した日本語版は開発してきた。具体的には、日本語/英語バイリンガルの50名に日英両版のOHIPを用いその妥当性を評価し、等価性をもつOHIPを作製した。 次にその日本語版OHIPを用いたインプラント治療(下記実験1・2)の治療成績の比較をとおして、従来型の補綴治療時のDecision Makingに寄与する明確で強いエビデンスを獲得するためである。本計画では<実験1.下顎大臼歯部片側遊離端欠損に対して:従来型可撤性部分床義歯vsインプラント支持の歯冠修復物><2.上顎無歯顎者に対して:従来型総義歯vsインプラント支持型無口蓋オーバーデンチャー>と考えていたが、まずはじめに実験1を行ってきている。実験デザインに正確な具体性を持たせるため、対象者を下顎遊離端欠損に限定し、さらに可能な限り強いエビデンスを求めるために、コントロールとしてまったく補綴介入を望まなかった群、部分床義歯を望んだ群をコントロールにくわえ、かつインプラント希望の患者にも従来型可撤性部分床義歯を使用させて評価している。現在までのところ、まったく補綴介入を望まなかった群は高い口腔内QOLをしめしている。インプラント支持の歯冠修復物装着者は従来型可撤性部分床義歯希望者よりおおむね高い口腔内QOLを示したが、更なるデータの蓄積により、統計的に優位かどうかを最終的に有意であるかどうか評価する必要がある。
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