2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14771093
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
浜田 賢一 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 助教授 (00301317)
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Keywords | スマート材料 / 繊維強化複合材料 / 形状記憶合金 / 床用レジン / 変形 / 界面接合 / 界面すべり / 接着プライマー |
Research Abstract |
形状記憶合金繊維を埋め込んだ床用レジンの損傷回復においては、繊維の収縮時に繊維-レジン界面ですべりが生じることから、界面せん断すべり抵抗が損傷修復機能に大きく影響する。一方で、繊維埋め込み型複合材料の強度に対しては界面接着強さが大きく影響することが知られている。このことから、スマート床義歯の高性能化においては界面接着強さが大きく、界面剥離後のせん断すべり抵抗は小さい界面が望ましいと予想される。 界面接着強さの向上には、繊維表面粗さを大きくすることや界面接着プライマーを適用することが効果的であるとされ、一方、界面せん断すべり抵抗を小さくするには繊維表面粗さは小さい方が望ましい。このことから、表面粗さが小さい繊維に対して接着効果の大きいプライマーを適用することが、スマート床義歯の高性能化には有利と考えられる。しかしながら、プライマーを適用した場合の界面せん断すべり抵抗に関する知見はあまりなく、その効果を調べる必要がある。そこで、歯科臨床で用いられている金属-レジン接着プライマーを適用した形状記憶合金繊維埋め込み床用レジン試料の特性を比較し、界面特性を検討した。 その結果、 1.繊維表面粗さを大きくすると、試料の曲げ強さは大きくなる。 2.繊維表面粗さを大きくすると、試料の修復精度は低下する。 3.接着プライマーを適用すると、試料の曲げ強さはやや大きくなる。 4.接着プライマーを適用すると、試料の修復精度が変化しない場合と向上する場合がある。 ことがわかった。接着プライマーの種類によって界面せん断すべり抵抗を減少させるものと、変化がないものがある理由にっいては現状では不明であるが、臨床で使用可能なプライマーの適用によりスマート床義歯の高性能化が図れることは、実用化に向けて有利な点である。
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Research Products
(3 results)