2003 Fiscal Year Annual Research Report
補綴材料およびアパタイト表面への唾液タンパクの吸着を阻止するべきか
Project/Area Number |
14771108
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Research Institution | Tokyo Dental College |
Principal Investigator |
三宅 菜穂子 東京歯科大学, 歯学部, 助手 (40276978)
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Keywords | ヒドロキシアパタイト / レーザー / SEM / AFM / ゼータ電位 |
Research Abstract |
<研究方法> ヒドロキシアパタイトに対するレーザー照射の影響を界面化学的に明らかにするために照射前後のSEMおよびAFMによる表面の微細構造観察、ゼータ電位を測定することにした。 被験材料には焼結アパタイトを使用し,耐水研磨紙(#180、#320、#600、#1200)で平面を仕上げ、アルミナ質研磨材(5μm、0.05μm)を用いてバフ研磨を行いプレート状に調整した。レーザーにはGaAlAs半導体ダイオードレーザーLD15(波長810nm、Dentek Laser Systems Production社製)を使用し、ヒドロキシアパタイトヘの照射は6.1 Watt 60 sec、0.0238J/m^2のエネルギー密度で行った。 表面の微細構造はSEMおよびAFMにより観察した。SEMによる観察はAu-Pd蒸着後、加速電圧15kVにて1000倍で行い、AFMには観察測定環境を室温・大気中の条件下とした。 ゼータ電位は平板状材料の表面電位が測定可能な電気泳動光散乱光度計(ELS-800^<TM>大塚電子社製)を用いた。 <研究結果および考察> コントロール群とレーザー照射群のSEM像ではいずれも多数の研磨傷が観察され、差異はみとめられなかったが、AFMではコントロール群に比べレーザー照射群で研磨傷先端が丸くなっていた。ゼータ電位ではコントロール群で-8.0(±2.0、n=9)、,レーザー照射群で-8.4(±1.7、n=6)となり、差は認められなかった。CO_2レーザーをヒドロキシアパタイトに照射した場合、エネルギー密度0.08〜0.32J/m^2で分解し、TCP[Ca_3(PO4)_2]が生成することが報告されており、今回のLD15照射条件のエネルギー密度が小さかったため、コントロール群とレーザー照射群のSEM像、ゼータ電位に差は認められなかったと考えられる。
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