2002 Fiscal Year Annual Research Report
顎関節構成体のメカニカルストレスに対する細胞応答の遺伝子解析による解明
Project/Area Number |
14771120
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
永井 宏和 秋田大学, 医学部, 助手 (50282190)
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Keywords | 顎関節 / ヒト滑膜細胞 / メカニカルストレス |
Research Abstract |
ヒト顎関節滑膜細胞株の樹立 顎関節内障患者の関節鏡視下手術でパンチバイオプシーにより得られた滑膜組織,および下顎頭骨折患者の円板切除術によって得られた関節円板組織から器官培養法あるいは酵素処理による細胞分散法により滑膜細胞株を樹立した.器官培養法では滑膜組織をI型コラーゲンでコートした培養皿上でそのまま培養し,細胞分散法では滑膜組織をトリプシンおよびコラゲナーゼにより酵素処理して細胞分散液を調整し,I型コラーゲンでコートした培養皿に播種して培養した.器官培養法および細胞分散法の両者で細胞株が樹立でき,これらは線維芽細胞様の形態をした均一の細胞からなる細胞株と,卵円形をした均一の細胞からなる細胞株の2種類であった.樹立細胞株の表現型を,線維芽細胞のマーカー(vimentin, prolyl-4-hydroxylase),マクロファージのマーカー(CD68),T細胞のマーカー(CD4),内皮細胞のマーカー(CD31,von Willebrand factor)の抗体を用いて免疫細胞化学染色およびウェスタンブロット法により確認した.これらの細胞はVimentinおよびprolyl-4-hydroxylaseが陽性で,CD68, CD31, CD4, von Willebrand factorは陰性であり,線維芽細胞様の性質を有した細胞であることが示唆された. ヒト顎関節滑膜細胞のメカニカルストレスに対する細胞応答の解析 現在,樹立した滑膜細胞株にメカニカルストレス(伸展刺激)を加えて,iNOSあるいは各種炎症性サイトカイン(IL-1β, TNF-α, IL-6, IFN-γなど)の発現についての解析を行っている.伸展刺激を加えた細胞を経時的に回収し,RT-PCR法によりこれらのmRNAの発現量および時期の検索を行い,メカニカルストレスに対する滑膜細胞の応答を解析している.
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