2002 Fiscal Year Annual Research Report
口腔扁平上皮癌における抗癌剤および血管新生阻害剤による浸潤・転移抑制効果の検討
Project/Area Number |
14771125
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
川尻 秀一 金沢大学, 医学系研究科, 助手 (30291371)
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Keywords | 口腔扁平上皮癌 / 正所性移植モデル / シスプラチン / ペプロマイシン / 浸潤 / 転移 |
Research Abstract |
14年度は口腔扁平上皮癌の浸潤と転移を臨床に近い状態で再現できる正所性移植モデルを用いて、特に日常の臨床で使用している抗癌剤、すなわちシスプラチンやペプロマイシンに増殖のみならず、浸潤や転移に対する抑制効果があるのか否かを検討した。高浸潤高転移性のヒト口腔扁平上皮癌細胞株のOSC-19をヌードマウスの口底に移植した後に、シスプラチンまたはペプロマイシンを移植後7日目または14日目に投与し、各抗癌剤ならびに各投与時期の違いによる腫瘍増殖に対する効果、浸潤に対する効果、転移に対する効果について検討した。増殖抑制効果では抗癌剤投与により平均38%の腫瘍縮小効果が認められた。また、PCNA陽性細胞率も有意に低下した。対照群の口底腫瘍は4C型の浸潤様式を呈していたが、抗癌剤投与群の浸潤様式は3型が72.7〜81.8%と多く、抗癌剤投与によって腫瘍の浸潤抑制効果が観察された。対照群の頚部リンパ節転移形成率は90.9%であったのに対して、抗癌剤の7日目投与群ではリンパ節転移形成率は45.5%と有意に低下した。また転移リンパ節内での腫瘍進展度も抑制されていた。以上の結果から日常用いている抗癌剤においても腫瘍縮小効果のみならず浸潤や転移抑制効果を有していることが明らかとなった。また、転移抑制効果を狙うのであれば抗癌剤の投与は早いほうが有利であることが示された。現在はそれに続く研究として、これらの抗癌剤の併用効果について研究を進めており、単剤のデータと比較検討を行う予定である。
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