2002 Fiscal Year Annual Research Report
口腔内悪性腫瘍株における14-3-3sigma発現制御状況とその機構に関する研究
Project/Area Number |
14771134
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
松崎 秀信 岡山大学, 歯学部附属病院, 助手 (70325124)
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Keywords | 14-3-3σ / Oral cancer / cell cycle / irradiation / G_2 arrest |
Research Abstract |
口腔癌において放射線治療は,審美的あるいは機能保存の面から考えて重要な治療法である。それゆえ,放射線治療に対する感受性を予測できると,口腔癌患者にとって治療選択において助けとなる。近年,分子マーカーが放射線治療の結果を予測するのに使われるようになってきた。 14-3-3σは,本来上皮特異性マーカーHME1として知られており,ある乳癌細胞株において抑制されることが報告されている。最近,頭頸部扁平上皮癌でもこの14-3-3σが抑制されることが報告されている。14-3-3σはDNA障害後G_2停止を起こし,それによってDNA修復を行う。 今回の研究では,口腔癌における放射線照射によって誘導される放射線感受性とG2停止に対する14-3-3σの役割を検討した。9口腔癌細胞株において14-3-3σの発現をWestern blottingにて調べ,14-3-3σの低発現が3株,高発現が6株であった。DNA histogramはflowcytometryを使って検討し,放射線によるDNA障害後G_2M期に停止するが,14-3-3σの低発現株では,高発現株に比較して放射線によるDNA障害後のG_2M期に停止からより早く回復することがわかった。さらに,cdc2 kinase活性が上がると,M期に入るため,この停止がM期かG_2期かを区別するためにphospho Tyr15-cdc2 antibodyを使ったwestern blottingによってcdc2 kinase活性を検討した。14-3-3σ低発現株においてもcdc2 phosphorylationのレベルは上昇しており,14-3-3σはcdc2 phosphorylation活性にはあまり関与していなかった。今回の結果は,14-3-3σがG_2停止を維持するのに重要であることが示唆されたが,放射線感受性との明らかな関連を見いだせなかった。
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