2002 Fiscal Year Annual Research Report
ヒト唾液腺癌細胞のDNA脱メチル化による分化誘導―骨芽細胞への変換
Project/Area Number |
14771138
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
内田 大亮 徳島大学, 歯学部, 助手 (20335798)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊賀 弘起 徳島大学, 歯学部, 講師 (40175188)
佐藤 光信 徳島大学, 歯学部, 教授 (00028763)
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Keywords | BMP-2 / Cbfa1 / DNAメチル化 / ヒト唾液腺癌細胞 |
Research Abstract |
対数増殖期のHSG細胞,HSG-AZA3細胞より全RNAを回収し、逆転写後、骨基質遺伝子であるalkaline phosphatase(ALP),type I collagen(ColI),bone sialoprotein(BSP),oseteocalcin(Oc),osteopontin(Op),Cbfa1の発現の比較を半定量性Reverse transcritption-polymerase chain reaction(RT-PCR)法にて検索した。陽性対照であるヒト胎盤由来のcDNAからは全ての遺伝子産物が増幅されたが、ALP, Oc, OPにおいては増幅が認められず、BSP, ColIにおいては細胞間における発現差が認められなかった。しかしながら、Cbfa1の発現はHSG-AZA3細胞において著明に増強していた。そのため、この発現上昇とDNA脱メチル化の関連性につきDNA脱メチル化剤5-aza-2'deoxycytidinc処理後のHSG細胞を用い、Cbfa1mRNAの発現変化を検索した。しかしながら、Cbfa1の発現に変化は認めなかった。一方我々は、すでにHSG-AZA3細胞が、Cbfa1のエフェクターであるBMP-2を大量に産生していることを見出している。そのため、BMP-2 pathwayの構成的活性化が、Cbfa1の発現上昇に関与していることを考え、BMPシグナル伝達因子であるSmad1/5/8の活性化をリン酸化Smad1/5/8抗体を用いたWestern blotting法にて検索したところ、HSG-AZA3細胞において著明な活性化を認めた。また、その効果はBMP-2中和抗体にて抑制されたことから、HSG-AZA3細胞ではBMP-Cbfa1の構成的活性化機構が存在していることが示唆された。現在これらの活性化機構とリンクするメチル化遺伝子を検索中である。
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