2002 Fiscal Year Annual Research Report
関節軟骨がアポトーシスを起こすメカニズム:NF-kB増強による顎関節炎の治療
Project/Area Number |
14771163
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
堀口 英之 昭和大学, 歯学部, 助手 (90297036)
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Keywords | Apoptosis / NF-kB / 軟骨細胞 |
Research Abstract |
1)EMSA法による細胞質中、核中のNF-kBのDNAへのBinding Activityの測定: ヒト軟骨芽細胞様細胞(USAC)を炎症性サイトカインであるTNF-αの存在下で、アポトーシス誘導剤(抗癌剤:シスプラチン)およびNF-kB阻害剤(CAPE)にて24、48,72,96時間処理したのち、核抽出タンパク質(NE:nuclear extracts)、細胞質抽出タンパク質(CE:cytoplasmic extrats)を測定したところ、TNF-α処理によりNF-kBの活性は上昇し、また、シスプラチンを添加した場合はNF-kBの活性がさらに上昇した。しかし、CAPEの添加ではNF-kBの活性はほぼ抑制され、アポトーシスが促進した。これらより、ヒト軟骨細胞様細胞においてNF-kBはTNF-αによるアポトーシスを抑制する働きを持つことが分かり、また、その作用はアポトーシス誘導剤で増強し、NF-kB阻害剤でほぼ抑制されることが分かった。 2)免疫染色によるNF-kB発現とIKK、I-kB発現の比較: TNF-αの存在下でアポトーシス誘導剤、NF-kB阻害剤で、24、48、72、96時間処理したUSACをNF-kB、IKK、I-kBの各抗体を用い、免疫組織化学染色したところ、TNF-α単独処理ではIKKおよびNF-kBの発現が認められ、I-kBの発現量は低かった。また、シスプラチン添加ではIKKおよびNF-kBの発現がTNF-α単独の場合と同程度認められたが、CAPE添加ではI-kBのみの発現が認められ、IKK、NF-kBの発現は抑制された。よって、ヒト軟骨細胞様細胞でIKKはI-kBに対して抑制的に働き、それによりNF-kBが活性化されることが分かった。そしてそれはアポトーシス誘導剤では変化がなかったが、NF-kB阻害剤ではIKKの発現が抑制されることによりNF-kBが抑制されることも分かった。
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