2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14771181
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
藤田 正 広島大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助手 (90335662)
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Keywords | 性ホルモン / 成長発育 / 顎顔面 |
Research Abstract |
本研究では今年度、顎顔面骨格の成長発育に及ぼす性ホルモンの影響を成長期マウスを用いて形態計測学的および組織学的に検討した。【資料および方法】C57BL/6Jマウス80匹を対象とし、生後5日齢時に卵巣摘出(OVX)と精巣摘出(ORX)を行った。また、擬似手術を施した同日齢マウスを対照とした。術後4週時に、側面頭部X線規格写真を撮影し、Kiliaridisらの方法に従い形態計測学的分析を行った。また下顎頭連続切片を作製、AZAN染色を施し海綿骨量を計測した。【結果】OVX・ORX群のいずれにおいても、対照群に比べ上顔面高,下顎骨体長,下顎枝長の有意に減少した。さらにORX群では、対照群に比べ上顎骨体長,上顎第1臼歯萌出度,下顎第1臼歯萌出度が有意に減少した。また、OVX・ORX群の実験終了時の体重は対照群と比べて有意に小さな値を示した。組織学的検索からは下顎骨の成長発育の中心と言われている下顎頭において、OVX・ORX群の海綿骨量が減少することが明らかになった。【考察】生後5日例に性腺摘出したマウスの顎顔面骨格において、対照群と比べて有意な成長発育障害を認め,性ホルモンが顎顔面骨格の成長発育に強い関連を有していることが明らかとなった。また、ORX群においてその影響がより顕著に現れたことから、アンドロゲンの成長発育への重要性が特筆された。これらのことから、顎顔面領域の成長発育障害の予防、治療に性ホルモンが応用される可能性が示唆された。【結論】成長期における性ホルモン分泌障害は、顎顔面骨格の成長発育を阻害することが強く示唆された。
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Research Products
(1 results)
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[Publications] Tokimasa C, Kawata T, Fujita T, et al.: "Effects of insulin-like growth factor-1 on the expression of osteoclasts and osteoblasts in the nasopremaxillary suture under different masticatory loading conditions in growing mice"Archives of Oral Biology. 48・1. 31-38 (2003)