2004 Fiscal Year Annual Research Report
顎関節症症状に機能的核磁気共鳴装置を用いた疼痛評価に関する研究
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14771187
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
石谷 徳人 鹿児島大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助手 (90343368)
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Keywords | 顎関節症 / 圧痛閾値(PPT) / 脳波(EEG) / 心理テスト / 機能的核磁気共鳴装置 |
Research Abstract |
目的:我々は顎関節症患者における顎顔面部の疼痛に対する脳神経活動を説明する第一段階として健常者における疼痛と脳機能との関係について研究を行った。 対象および方法:対象は顎関節症の症状の認められない正常健康成人20名、平均年齢26.3歳±2.5歳、男性10名、女性10名である。各被験者に対して、左右側の茎状突起部に5回の圧痛閾値測定を実施し、その平均値を測定値年、左右側各々における圧痛閾値の高い順より上位10名をH群、下位10名をL群にグループ分けを行った。さらに、磁気シールドルーム内にて左右側の茎状突起部への刺激を一定圧(1000グラム重パー平方センチメートル)で10秒間行い、刺激前後の各々5分間、12チャンネル脳波を記録し、β波の相対パワー値をそれぞれ算出しました。左右側刺激における2群間での脳波の相対変化率について脳波トポグラフィーにて表示し、比較検討を行った。 結果および考察:刺激前後における相対的な変化率は、左右側ともに、L群がH群に比べて大きな値を示し、特に左側刺激後のL群においては変化率,局在傾向ともにH群とは明らかに異なる傾向を示していた。本実験から,H群と比較しL群に脳波変化が大きかったことは,痛みを感じやすい人は,精神的影響,特に情動が大きく反映し,その結果,痛みを感じにくい人より脳波に大きな変化がみられたのではないかと考えられた。以上より,PPTと脳波変化を検討した本実験結果から,β波における刺激前後の相対的な減少率はPPTの低い群が高い群に比べて大きく,この変化は情動と密接に関連し,痛みに対する感受性が高い人にとってはわずかな刺激に対しても脳波上では大きな変化をもたらすことが確認された。
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