2002 Fiscal Year Annual Research Report
生理的動揺度を考慮した歯牙外傷時の暫間固定の必要性
Project/Area Number |
14771204
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Research Institution | Tokyo Dental College |
Principal Investigator |
氏家 真由子 東京歯科大学, 歯学部, 助手 (40338851)
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Keywords | 歯の生理的動揺度 / 歯の外傷 / 実験的歯牙不完全脱臼 / 実験病理学的研究 / 暫間固定 / 固定期間 / 外傷歯の治癒 / イヌ |
Research Abstract |
歯の生理的動揺は、歯根の形成状態や、歯周組織の成熟度など、さまざまな要因により大きく変化する。そこで、ビーグル犬における歯牙外傷時の動揺度変化を観察するに先立ち、歯の生理的動揺度を把握するため、動揺度測定器を用いて上下顎切歯の生理的動揺度を測定した。その結果、研究代表者が既に調査したヒトにおける上顎切歯の生理的動揺度と比較しすると、10か月齢のビーグル犬における上顎切歯の動揺度測定値は、ヒトの歯根未完成期の動揺度測定値に近い値であることがわかった。下顎切歯は、上顎切歯に比較してやや大きな値であったが、ヒトにおける下顎切歯の動揺度測定値については調査中であるので、ヒトとの差異は不明である。 生理的動揺度の測定終了後、第二切歯に実験的歯牙不完全脱臼を惹起させた。不完全脱臼の惹起は、画一的な受傷状態にするため、動揺度測定器により動揺度の上昇を確認しながら、ほぼ一定の値になるまで、第二切歯を脱臼させた。外傷後のエックス線画像写真において、明かな歯槽骨骨折や、歯根破折の認められる歯は、実験対象から除外した。固定はワイヤーとコンポジットレジンを用いて行い、期間は、外傷後1日、3日、1週、2週、3週、4週とし、それぞれ、外傷前、外傷直後、固定中、固定除去時に動揺度測定とエックス線写真撮影を行った。固定中の検査は、1週毎に固定を除去後に行い、検査終了後は再び固定を行った。固定に使用したワイヤーは、直径1mmの歯科矯正用弾線を使用し、両隣在歯(第一切歯、第三切歯)と固定した。 現在標本作製中であり、外傷後の治癒に関する動揺度変化と形態学的特徴との関連性について検討予定である。
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