2002 Fiscal Year Annual Research Report
吸啜から咀嚼への発達に伴う三叉神経上領域の回路特性の変化についての研究
Project/Area Number |
14771207
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
鶴山 賢太郎 日本大学, 松戸歯学部, 助手 (70343580)
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Keywords | 吸啜運動 / 咀嚼運動 / 咀嚼中枢 / 電気生理学的手法 |
Research Abstract |
哺乳類の吸啜運動から咀嚼運動への発達の過程において、電気生理学的手法を用いてpremotor neuronさらには、pre-premotor neuronレベルでの経時的変化に焦点を当てて解析を行った。その結果、新生児ラットの三叉神経上領域から記録された細胞外電位は持続性あるいは間歇性であり、架空吸啜運動の開口相または閉口相にバーストが認められるリズミックニューロンユニット、あるいはサイクルを通してバーストが認められるラスティングニューロンユニットとに大別された。これらのニューロンバーストをベクトル化し、1サイクルを360度としたサークルプロットにて評価すると、リズミックニューロンユニットは三叉神経運動ニューロンのバーストと同期して発火するニューロン群と三叉神経運動ニューロンの休止期に発火するニューロンが認められたが、それらの多くは三叉神経運動ニューロンのバーストと同期して発火するニューロンであった。また、これらのニューロン群の多くは三叉神経上領域の内側領域、背側領域、尾側領域に多く認められ、その発火パターンは多くのニューロンにおいて複数の発火パターンを有していた。さらに、これらのニューロン群の多くは上顎切歯の歯根膜圧受容器からの入力を受けていることが認められた。三叉神経上領域への局所麻酔薬の微量注入により、三叉神経運動路核から記録された活動電位にはサイクル時間延長ならびにバーストエリアの減少が認められたことから、三叉神経上領域からの三叉神経運動核への入力は促進的であることが示唆された。
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