2002 Fiscal Year Annual Research Report
ソケットリフト併用により植立されたインプラント周囲骨の動態に関する研究
Project/Area Number |
14771218
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
佐藤 孝弘 新潟大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助手 (80303139)
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Keywords | ソケットリフト / インプラント / 骨形成 / ウサギ / 上顎洞 / ジャンピングディスタンス / シュナイダー膜 |
Research Abstract |
インプラントに関連する学会,講演会に参加し,インプラント周囲骨の形成に関する詳細な最新データーを得た.また,他大学の研究者とのディスカッションにより,ソケットリフト法併用によるインプラントの術式,予後に関して現状のコンセンサスを得た. 予備実験として,ラット上顎にインプラントを植立し,潅流固定後HE染色を施し,インプラント周囲の骨形成に関して経時的に観察した.その結果,インプラント周囲にはインプラントに既存骨が密接しているよりも,ある程度(100μm〜500μm)の血餅で満たされているスペースがあった方が,骨形成が活発である様子がうかがえた.また,ソケットリフトを想定して,骨膜をインプラントでつり上げた状態で縫合して,その骨形成過程を観察したところ,既存骨側からの骨形成を認めた.さらにつり上げたスペースに自家骨を填入した場合は,早期にスペース内に骨が形成され,骨膜側からの骨形成が活発に認められた.以上の結果から,ソケットリフトによるインプラント植立により,つり上げたれたシュナイダー膜によるスペース内に骨が形成されることが十分に予想された. 実験動物である成熟白兎を用いて,ソケットリフトによりインプラント植立を行ったところ,上顎洞の位置が小さく,実験初期では最適なソケットリフトは行えなかった.しかし潅流固定しHE染色を施したところ,上顎洞とインプラントとの位置が確認され,今後この実験系で臨床的に近似した状態のソケットリフトを再現するための術式の改良を考案することができた.今後は,この改良した方法により,ソケットリフト併用のインプラント植立を行い,周囲骨の形成過程に関して実験を行って行く所存である.
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