2002 Fiscal Year Annual Research Report
Tlr2およびTlr4遺伝子突然変異の歯周病発症に与える影響についての解析
Project/Area Number |
14771225
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
吉村 篤利 長崎大学, 歯学部附属病院, 講師 (70253680)
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Keywords | 歯周病感受性 / 自然免疫 / Toll-like receptor / 遺伝子変異 |
Research Abstract |
歯周炎患者の歯周ポケットからは、多くの歯周病原性細菌が分離され、その細胞壁構成成分は宿主免疫系を活性化する。自然免疫系によるこれら細胞壁構成成分の認識機構には不明な点が多かったが、近年、Toll-like receptor (TLR) 4がLPSの認識に、またTLR2はペプチドグリカンやリポ蛋白等の菌体成分の認識に重要な役割を果たしていることが明らかとなった。これらの自然免疫系レセプターは歯周組織の感染防御においても重要な役割を果たしていると考えられるが、我々は、長崎大学歯学部附属病院に来院した歯周病患者からインフォームドコンセントを得て、歯周外科時に切除された歯肉を重症度ごとに分類しTLR2およびTLR4の発現について検索した。その結果、重度歯周炎罹患歯肉の接合上皮直下においてTLR2、TLR4ともに最も強い発現がみられ、歯肉の炎症におけるTLRの影響が明らかとなった。(Oral Microbiol. Immunol.,2003,18,54-58)更に、これらの歯周病患者および対象としての健常者からインフォームドコンセントを得て採血を行い、歯周病原性細菌菌体成分で白血球を刺激し、炎症性サイトカインの産生量の測定を行った。また、血球からゲノムDNAを抽出中であり、今後、Tlr2およびTlr4遺伝子の突然変異の有無についても検索を行う予定である。また、これらの白血球の菌体成分への応答性とTlr2およびTlr4遺伝子の突然変異の有無、および歯周病患者の重症度との関係についても解析予定である。
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Research Products
(1 results)