2003 Fiscal Year Annual Research Report
特異な環構造を有するアルカロイドpyrinodemin Aの絶対立体化学の解明
Project/Area Number |
14771233
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
石山 玄明 北海道大学, 大学院・薬学研究科, 助手 (70333622)
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Keywords | Pyrinodemien A / 全合成 / 絶対立体配置 / Amphimedon sp. / 海綿動物 |
Research Abstract |
申請者らは、海洋生物から二次代謝産物の探索を行い、新規構造を有する化合物を分離し、それらの化学構造を明らかにしてきた。その中で海綿Amphimedon sp.より新規アルカロイドpyrinodemin Aを単離し、その構造を提出した。Pyrinodemin Aは、中心部分にisooxazolidine環を有し、両側鎖の末端にピリジン環をもつ極めてユニークな構造の化合物である。しかし、pyrinodemin Aは、天然から得られる量が微量であるため、強力な殺細胞活性を示す以外に、生物活性が検討されておらず、また、天然物の誘導化による絶対立体配置の決定も困難な状況にある。そこで、pyrinodemin Aの絶対立体配置を明らかにする目的で、提出構造およびオレフィンの位置異性体化合物を光学活性体として合成し、天然物とスペクトルデータの比較、天然物の分解反応、およびキラルHPLCによる比較を行った。 合成については、pyrinodemin Aの3個の不斉炭素をもつ中心部分のisooxazolidine環を、光学活性なアルデヒドとヒドロキシルアミンから合成し、両側鎖をWttng反応により順次導入した。両末端を臭素に変換した後、3-methylpyridineを用いてピリジン環を導入することにより、光学活性なpyrinodemin A(提出構造)およびオレフィンの位置異性体を合成した。スペクトルデータを比較した結果、天然物のpynnodemin Aとオレフィンの位置異性体のデータが良い一致を示した。天然物の分解反応を行った結果も、天然物のpyrinodemin Aの構造は提出構造のオレフィンの位置異性体であることを支持した。一方、合成した光学活性なオレフィンの位置異性体化合物と天然物とのキラルHPLCによる比較を行った結果、天然物はラセミ体であることが明らかとなった。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Smith, A.B., III: "Tremogenic indole alkaloids. The total synthesis of (-)-penitrem D"Journal of American Chemical Society. 125(27). 8228-8237 (2003)
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[Publications] Shimizu, T.: "Efficient synthesis of the 6,6-spiroacetal of spirofungin A"Tetrahedron Letters. 44(27). 4965-4968 (2003)
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[Publications] Ohsaki, A.: "Secu'amamine A, a novel indolizidine alkaloid from Securinega suffreticosa var. amamiensis"Tetrahedron Letters. 44(15). 3097-3099 (2003)
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[Publications] Tsuda, M.: "Stereochemistry of iejimalide B"Tetrahedron Letters. 44(7). 1395-1399 (2003)
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[Publications] Shigemori, H.: "Naucleamides A〜E, new monoterpene indole alkaloids from Nauclea latifolia"Chemical & Pharmaceutical Bulletin. 51(1). 58-61 (2003)