2002 Fiscal Year Annual Research Report
生物活性を有する異常アミノ酸含有ペプチドの合成とペプチドミミックへの展開
Project/Area Number |
14771242
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
今野 博行 徳島大学, 工学部, 助手 (50325247)
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Keywords | 異常アミノ酸 / アルドール反応 / システインプロテアーゼ阻害剤 / アジリジン / 不斉合成 / ペプチドミミック / スタチン / 超原子価試薬 |
Research Abstract |
システインプロテアーゼ阻害活性を示す異常アミノ酸含有ペプチドMiraziridine Aの合成とその誘導体合成を検討した。計画に従いはじめに構成する4つの異常アミノ酸の効率的な合成法の検討を行った。ビニルアミノ酸の合成法の開発をそれぞれに対応するアミノ酸より合成をすすめ、Honer-Emmons反応を鍵反応に用い、様々なアミノ酸側鎖を有するビニルアミノ酸の合成を達成することができた。また酒石酸ジエチルより出発し、アジリジン部分の合成に成功した。さらにEvansらによって開発された触媒的アンチアルドール反応を直接的なアミノ酸合成法に結び付けることに成功し、アジリジンジエステルの合成に適用し、高エナンチオ選択的な合成にも同時に成功した。スタチン部分に関しては短合成を目指してジアステレオ選択性の向上をおこない、過去の合成法と比較し最も効率的なルートの開発が達成された。さらに本合成過程において超原子価試薬を用いることにより、その試薬の新たなエポキシ環開裂反応を見出し、その一般性を示すことができた。アミノブチル酸の合成についてはEvansの方法論をもとにアジド化を経由して合成を行った。このようにして構成するすべての異常アミノ酸類の合成を達成することができた。さらにこれらのアミノ酸を用いて縮合反応を検討し現在テトラペプチドの合成まで達成している。さらに強力なカテプシンB阻害剤創製に有効なデザインを施した取りペプチドの誘導体合成に成功した。今後はこれらの生物活性測定ならびに固相合成法に適した合成ルートの開発を目指す。またペプチドミミック化を行う。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Koide, T.: "Metal Assisted Stabilization and Probing of Collagenous Triple Helices"Journal of the American Chemical Society. 124・32. 9388-9389 (2002)
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[Publications] Konno, H.: "Syntheses of (4S, 5R)-and (4R, 5S)-Muricatacins and (4R, 5S)-aza-muricatacin, Unnatural Analogues of The Annonaceous Acetogenin"Heterocycles. 57・10. 1793-1797 (2002)
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[Publications] 今野博行: "自在なβ-シート構築を目指して"ファルマシア. 39・1. 58-59 (2003)
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[Publications] Konno, H.: "Structural Revision of Epoxyrollins A and B, Biosynthetic Precursor of Annnonaceous Acetogenins"BioScience, Biotechnology, and Biochemistry. (印刷中). (2003)