2002 Fiscal Year Annual Research Report
アルキルペルオキシヨーダンを活用するアルコールの新しい保護反応の開発
Project/Area Number |
14771243
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
末田 拓也 徳島大学, 薬学部, 助手 (40260682)
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Keywords | アルキルペルオキシ-λ^3-ヨーダン / α-アルコキシラジカル / テトラヒドロフラニル化 / アルコール / 保護基導入反応 / オキソニウム / テトラヒドロフラン |
Research Abstract |
我々の研究室では、アルキルペルオキシ-λ^3-ヨーダンを室温で安定な結晶として単離することに初めて成功している。また、ペルオキシ-λ^3-ヨーダンがラジカル性酸化剤として有用であることも見出し、近年、東京化成工業株式会社から市販されるようになった。 ペルオキシ-λ^3-ヨーダンのTHF溶液を50℃に加熱すると2-テトラヒドロフラニルラジカルが発生し、ビニルスルホンなどの不飽和化合物に付加することが見出されている。今回私は、2-テトラヒドロフラニルラジカルを捕捉することなく酸化し、オキソニウム塩を発生させ、アルコールとの反応を行い2-テトラヒドロフラニルエーテルを合成することを計画した。フェネチルアルコールに対して等量のペルオキシ-λ^3-ヨーダンをTHF中で分解させると、目的とする2-テトラヒドロフラニルエーテルが55%の収率で得られた。用いるペルオキシ-λ^3-ヨーダンの当量や、反応の進行とともに発生する酸の捕捉を目的に塩基の添加を種々検討したが、2-テトラヒドロフラニルエーテルの収率は大きく向上しなかった。一方、アルコールに対する選択性を調査したところ、3級アルコールでは反応が全く進行しなかったことから、本反応は1級アルコール及び2級アルコールの選択的テトラヒドロフラニル化に有用であることが示唆された。 現在も2-テトラヒドロフラニルエーテルの収率の向上を目的に種々検討を行っているが、最近、四塩化炭素を添加すると2-テトラヒドロフラニルエーテルの収率が大きく向上する結果が得られた。今後さらに検討を行い、反応の一般性や反応機構に関しても精査する。
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