2002 Fiscal Year Annual Research Report
RecAタンパク質の相同性認識機構に学んだ人工リプレッサーの医薬分子設計
Project/Area Number |
14771306
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
杉山 亨 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 助手 (40242036)
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Keywords | ホルミルウラシル / 5-ホルミル-2'-デオキシウリジン / シッフ塩基 / クロスリンク / RecA / PNA |
Research Abstract |
1 RecAペプチドのクロスリンク 我々は5-ホルミルウリジン(X)のホルミル基が有機溶媒中でリジンの側鎖アミノ基とシッフ塩基を形成することをアミノ酸とヌクレオシドのレベルで確認している。本研究では大腸菌の遺伝子組換え酵素RecAのDNA結合部位にはリジン残基が1つだけ存在することに注目し、X含有オリゴヌクレオチドとの水中でのシッフ塩基形成によるクロスリンクをオリゴマーのレベルで証明した。RecAのDNA結合部位に相当するオリゴペプチドとそのリジンの位置を変えた変異体をFmoc法により固相合成し、天然の配列をもつペプチド(FECO)の他にもDNAに結合する変異体G8Kを見出した。FECOと天然DNAを反応させてもクロスリンクは起こらなかったことからクロスリンクはシッフ塩基形成によることが確認された。 2 RecAとPNA RecAによる相同認識は一本鎖DNAの鎖侵襲によるものであるが、人工分子であるPNAもまた、配列に制限があるものの、鎖侵襲によって二本鎖DNAに結合することが知られている。本研究ではRecAに対する比較化合物としてPNAの使用を計画している。市販のモノマーは高価なうえにオリゴマー化の効率が配列に依存するので、これを改善するため、新しいモノマーを開発している。近年、さまざまな領域でPNAの需要が高まっており、簡便かつ経済的な合成法が望まれている。Fmoc法でペプチド合成をおこなう場合、側鎖アミノ基はBoc基で保護するのが一般的であるが、Boc基をPNAの核酸塩基の保護に使った例は報告されていない。我々は、Boc基とPNAとの相性を調べる目的で、主鎖をFmoc基・塩基をBoc基で保護したPNAモノマーの合成を行った。現在、大量合成を行っている。
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Research Products
(1 results)