2003 Fiscal Year Annual Research Report
医療及び産業応用を目的とした大麻新品種の遺伝子工学的手法による作出
Project/Area Number |
14771317
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
田浦 太志 九州大学, 薬学研究院, 助手 (00301341)
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Keywords | 大麻 / 生合成酵素 / トランスジェニック / カンナビノイド / 品種改良 / 遺伝子工学 |
Research Abstract |
大麻への遺伝子導入法の確立 本年度は昨年度に引き続き、アグロバクテリウム法による大麻への遺伝子導入システムの確立を検討した。大麻成分生合成酵素であるTHCA synthase及びOLA synthaseのセンス及びアンチセンス遺伝子を有するアグロバクテリウムを大麻幼植物の茎部、子葉などに感染させ、抗生物質及びカルス化を誘導する植物ホルモン(オーキシン)を含むセレクション培地での培養を行ったところ、組換え体と考えられるカルスが数個誘導された。しかしながら、本カルスを常法により継代培養したところ、成長速度が極めて遅く、多くが枯死することが判明し、組み換え体を植物体として得るには至らなかった。大麻カルスは成長、分化の速度が遅いことが知られているため、カルス化を経由した組み換え体の作出は困難であるものと推察された。そこで組み換え細胞から成長、分化の能力に富んだ不定胚を誘導し、これを経由して分化した組み換え体の作出を検討することとした。材料として、無菌幼植物の子葉及び無菌の細胞を液体培地中で培養したセルサスペンジョンカルチャーを用い、これらを上記アグロバクテリウムの培養液に浸すことにより感染させ、次いで抗生物質及び不定胚形成に適した植物ホルモン(ベンジルアデニンなど)を含む、セレクション培地に置床した。現在、セレクション培地上での継代培養を行っており、今後、不定胚を得た後に植物体への再生を行い、導入遺伝子の確認の後、植物形態やカンナビノイド含量の変化について検討する計画である。
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