2002 Fiscal Year Annual Research Report
膵臓及び甲状腺に特異的に発現する内在性レトロウイルスの機能解析
Project/Area Number |
14771331
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
杉本 潤 琉球大学, 医学部, 助手 (10315476)
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Keywords | ヒト内在性レトロウイルス / 膵臓 / 甲状腺 / モノクローナル抗体 / ポリクローナル抗体 |
Research Abstract |
膵臓及び甲状腺で発現しているHERV遺伝子(ERVE1)の生理的役割を明らかにするため、ERVE1特異的モノクローナル抗体の作製を目指した。抗体作製の際に用いる抗原には、マウス由来の上皮細胞株にERVE1蛋白を安定に発現させた抗原発現細胞を使用した。この細胞を直接マウス腹空内に投与し、免疫を誘導している。また、各マウスにおけるERVE1抗体産生の有無を、個々の血清を用いたウエスタンブロット法により確認した。この結果、ウエスタンブロット法で検出可能な抗体の産生が、10匹中6匹のマウスで確認された。これらマウスから脾臓を摘出後、ミエローマ細胞と融合しハイブリドーマを作製した。ERVE1特異的抗体産生細胞の有無は、間接蛍光抗体法ならびにウエスタンブロット法により確認し、トータルで6720のハイブリドーマを検定した。この結果、ERVE1特異的抗体産生細胞は、今回作製したハイブリドーマ中に確認できなかった。マウス血清中にERVE1特異的抗体の存在が明らかであることから、融合時にERVE1特異的抗体産生細胞に由来するハイブリドーマの形成が行われなかった、またはハイブリドーマのスクリーニング数が十分ではなかったことが原因として考えられる。 今後、ハイブリドーマのスクリーニング数を増やすことにより、ERVE1特異的モノクローナル抗体産生細胞を単離したい。また、迅速かつ確実に本研究の目的(膵臓または甲状腺組織におけるERVE1タンパク発現の有無の確認)を達成するため、平行してポリクローナル抗体を作製することを考えている。現在、GST(Glutathion S Transferase)、MBP(Maltose Binding Protein)、ヒスチジンをタグとして持つERVE1融合タンパク質を、抗原として利用するため精製中である。
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