2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14771337
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
衣斐 督和 京都府立医科大学, 医学研究科, 助手 (10336539)
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Keywords | ドーパ / 受容体 / 線虫 |
Research Abstract |
線虫DOPA受容体候補分子の新規リガンドとして3,4-dihydroxybenzaldehydeを含む4化合物を、DOPAおよびDOPA様アゴニスト(DOPS)の代謝物より電気生理学的活性を指標として分離精製することに成功した。4リガンドは、3,4-dihydroxyphenyl基を共通構浩とする分子量約150の低分子化合物であった。線虫DOPA受容体候補分子のリガンド結合部位には他のモノアミン受容体とは異なりアミノ基を認識する部位が存在せず、また、いずれのリガンドもニンヒドリン反応陰性であったことからアミノ基を含んでいないことが判明した。次に、これら4リガンドが哺乳類DOPA受容体候補分子のリガンドとなりうるか検討したが、ラット孤束核における血圧降下作用はDOPAと比較して弱かった。そこで、血圧降下作用を指標として哺乳類DOPA受容体候補分子リガンドを探索した結果、DOPA様アゴニスト活性、DOPAによる血圧降下を抑制するアンタゴニスト活性、単独では作用を有しないがDOPA共存下で血圧を上昇させるインバース活性を示す3種類のリガンドが存在していた。線虫および哺乳類DOPA受容体候補分子リガンドは、HPLCにおいて異なる画分に溶出され、同一物質ではなかった。以上のことから、ドーパミンとは異なるドーパ代謝物がドーパ生理活性の一部を担っていると考えられた。現在、線虫および哺乳類DOPA受容体候補分子のリガンド同定中であり、決定後、哺乳類におけるDOPA受容体候補分子のスクリーニングを行う予定である
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