2003 Fiscal Year Annual Research Report
イソプレニル基を有するビタミン類の誘導体化による新規治療薬の開発
Project/Area Number |
14771346
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Research Institution | Fukuoka University |
Principal Investigator |
松永 和久 福岡大学, 薬学部, 助手 (90320308)
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Keywords | トコトリエノール / トコフェロール / ユビキノン / レドックス制御 / プロドラッグ / 皮膚外用剤 / 抗酸化物質 / 酸化的障害 |
Research Abstract |
抗腫瘍作用や強力な抗酸化作用を有することが報告されているビタミンE同族体のトコトリエノール(T3)やビタミンK_2の活性体であるビタミンK_2ハイドロキノンは水難溶性であり、薬吻送達上の問題がある化合物である.本研究の目的は,イソプレニル基と水酸基を有するこれらの化合物を誘導体化することで,薬物送達上の問題を克服し,新規の抗癌薬や,脳疾患,心血管系疾患,肝障害,皮膚障害等の酸化的障害が原因となる疾患の予防薬,治療薬を開発することである. 平成15年度は,昨年度までに合成法と静脈内投与を検討した,γ-T3及びγ-トコフェロール(γ-Toc)のN,N-ジメチルグリシンエステル(γ-T3DMG,γ-TDMG)の経口投与について検討し,これらの薬物が経口投与によりγ-T3またはγ-Tocの水溶性prodrugとして機能できること,Na利尿因子であるS-γ-CEHCの体内レベルを上昇し維持できるS-γ-CEHCのtwo-step prodrugとして機能できることを明らかにした.また,心筋機能の改善薬として市販され,保健機能食品としても広く用いられているユビキノンの活性体、ユビキノール(UqH,分子内にイソプレニル基と水酸基を有する)のN,N-ジメチルグリシンエステル3種を合成し,これらの誘導体がいずれも水溶性の白色粉末であり,経口投与により体内で親薬物に再変換される,UqHの水溶性prodrugとして機能することを明らかにした.さらに,皮膚の酸化的障害,老化予防薬としてγ-TDMGを含む水性皮膚外用剤の処方開発を行った.
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