2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14771360
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
岩本 幹子 北海道大学, 医学部, 講師 (50292040)
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Keywords | 看護師 / 看護倫理 / 患者擁護 / 患者の権利 |
Research Abstract |
平成14度の文献検討による患者擁護の概念分析から、平成15年度は文献検討により組織の中での看護師の患者擁護者としての役割を検討した。この結果、個々の看護師の倫理的感受性を高め、倫理的判断を元に患者の権利擁護者としての行動することにつながることが明らかとなった。また、看護師が倫理的ジレンマを克服し、擁護者としての役割を果たすためには、看護職集団内外の組織構造の問題が存在していることが示唆された。 昨年度の調査に使用した「看護実践における患者の人権と倫理的問題の体験」の質問紙について、見直し、修正を行い、対象者数を拡大して継続調査を実施した。今年度は高度医療を担う大学病院に勤務し、直接ケアに携わる看護師986名を対象に調査を行った。この結果、「患者の権利と尊厳を尊重すること」に関する問題を看護師は最も頻繁に体験していた。一方で、「患者に十分な看護ケアを提供できない看護師の充足状況」や「看護師-医師の対立」に関する問題について、悩んでいることが明らかとなった。 文献検討、質問紙調査の結果、看護師の充足状況を含めた看護管理の課題や、看護師以外の医療専門職者との関係から、看護師の擁護者としての役割を継続して検討する必要性が生じた。また、患者の意思決定における、患者の医療従事者への期待は日米で異なることが示唆され、看護師の擁護者としての日米の患者の期待についてその差異を明らかにするために、患者を対象とした調査を進める予定である。
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