2003 Fiscal Year Annual Research Report
患者の看護必要度に応じた看護料設定のための基礎的研究―患者重症度に応じた生活援助技術提供量の測定―
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14771368
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
笠原 聡子 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (30283782)
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Keywords | 看護ケア提供時間 / 患者重症度 / 日常生活援助 / 活動量 |
Research Abstract |
1.患者の重症度変化に伴う看護ケア提供時間の変動に関する知見 1)目的:外科病棟、日勤帯における病棟全体の看護師の患者へのケア提供時間を予測する。 2)方法:タイムスタディにより、胃全摘出術患者に看護師が日勤帯で費やしたケア時間を入院から退院までの45日間について一日ごとに算出した。この結果をもとに、50床の病棟全体の総ケア提供時間をモンテカルロシュミレーションにより100日間推計した。 3)結果:モデル患者への看護ケア時間は術後2日目に2時間27分と最も多く、退院日には11分と最少になった。病棟全体の平均推計時間は、中位推計40時間25分、下位推計32時間31分、上位推計49時間となった。日勤看護師が患者へ提供可能なケア時間を7時間とすると、平均6人のスタッフが必要で、忙しい時には7人、暇な時でも5人必要で、その差は2人分となることから業務量変動により柔軟な勤務体制が必要と考える。 2.患者の重症度別援助技術提供量(運動量および援助内容の比較)に関する知見 1)目的:外科病棟における看護師の患者重症度別ケア提供時間および運動量を測定する。 2)方法:外科病棟日勤看護師を対象としたタイムスタディによる患者毎のケア提供内容および所要時間と加速度計による運動量の計測を行った。 3)結果:看護度A1とB3の患者に対する清拭では、所要時間が前者で約30分、後者で約5分とかなりの差があり、ケア実施中の累積加速度もA1では138G、B3では17Gとなり、運動量にも大きな差があることが分かった。所要時間と運動量に大きな差が見られた理由としては、B3の患者に対してはタオル清拭のみを実施しているのに対し、A1の患者に対しては同じくタオル清拭を実施しているが、同時にルート類の確認及び整理作業を行ったり、寝衣交換を行ったりするなど、主作業である清拭に付随して発生する業務が患者の状態に応じて多様になるためと考えられた。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] S Kasahara, Y Ohno, A Ishii, Y Kitamura, et al.: "A Simulation of the Total Patient Care Time at a 50-bed Surgical Unit from the Data of 24-hour Time Study"China-Japan Medical Conference 2002. 342 (2002)
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[Publications] Ishii A, Ohno Y, Kasahara S, Hirakawa K, et al.: "The Study of the Relationship Between Patient Status Indicators and Patient's Care Time Using Multilevel Analysis"Japan Journal of Medical Informatics. 22・5. 367-375 (2002)
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[Publications] 石井豊恵, 大野ゆう子, 笠原聡子, 原内一, 稲巴清也, 門田守人, 左近賢人 他: "Time Studyデータを用いた看護業務のOverrunに関する検討〜Multilevel AnalysisとMonte-Carlo法を用いて〜"生体医工学シンポジウム2003講演予稿集. (CD-ROM). (2003)