2004 Fiscal Year Annual Research Report
児童虐待予防のための地域における10代妊産婦へのサポートシステムの開発-RCT(Randomized Control Trial)による家庭訪問を取り入れたプログラムの有効性の検討-
Project/Area Number |
14771385
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Research Institution | Osaka Prefectual College of Nursing |
Principal Investigator |
和泉 京子 大阪府立大学, 看護学部, 講師 (80285329)
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Keywords | 児童虐待予防 / 縦断調査 / 育児不安 |
Research Abstract |
14年度:10代妊産婦に対して妊娠中・出産1か月後の家庭訪問を行った。さらに地域全体の現状を把握するために3か月健診時に質問紙調査を行った。 15年度:14年度に3か月児健診時の調査対象者に対して、1歳6か月児健診時に縦断的に質問紙調査を行った。 16年度:妊娠中・出産1か月後に家庭訪問を行った者、および3か月児健診時、1歳6か月児健診時と縦断的に質問紙を回収できた者に対して、分析を行った。3か月児健診と1歳6か月児健診を縦断調査した結果以下のことが明らかになった。 育児不安について ○1歳6か月児健診における育児不安や育児の満足感、児の育てやすさ、サポートへの満足感、ゆとりは、3か月児健診時から継続していることが明らかになった。 ○育児不安と育児の満足感、児の育てやすさ、サポートへの満足感、ゆったりと児と過ごせる時間の有無は関連があった。 ○以上より、3,4か月といった乳児健診時より、育児不安やその関連要因についての把握を行い、早期から支援することが育児不安、しいては児童虐待の予防につながるのではないかと考えられます。 虐待の気がかりについて(「虐待しているのでは」と思っている) ○「虐待の気がかり」がある母親は,育児,夫婦関係などのストレスを抱えており,夫のサポートが乏しいという特徴があった。 ○1歳6か月児健診の「虐待の気がかり」を予測するための3か月児健診時での項目は育児不安がある,子どもの父親とのコミュニケーションが乏しい,周囲のサポートがないと思っているなどの項目であった。 ○3か月児健診に「虐待の気がかり」がある母親は1歳6か月児健診にも「虐待の気がかり」があるリスクがない母親と比較して12.4倍であったため,早期からの支援が必要であると考えられた。 いずれも10代の妊産婦は数が少なく、また特記すべき結果は得られなかった。以上より、10代妊産婦のみならず児童虐待予防のための地域における早期からのサポートシステムの必要性が明らかになった。
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