2002 Fiscal Year Annual Research Report
がん化学療法患者に対する歯磨き指導による口腔合併症予防効果の検討
Project/Area Number |
14771399
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
狩野 太郎 群馬大学, 医学部, 助手 (30312896)
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Keywords | がん患者 / 化学療法 / 口内炎 / 口腔ケア / オーラルクライオセラピー / プラークコントロールレコード |
Research Abstract |
1.文献検討 特養老人ホームで366人の入所者を対象に2年間にわたって行ったケース・コントロールスタディーではコントロール群(182名。従来通りの口腔ケアにとどめる)に比較し、ケース群(184名。毎食後のブラッシング介入+1%ポピドンヨード含嗽)の発熱者数(54 vs. 27)、死亡者数(34 vs. 21)が有意に低かった(Yoneyama 1999, Lancet 354:515)。18人の血液疾患患者を2群に分け、口内炎予防の目的で2種類の口腔ケアを行ったが口内炎発症率もオーラルアセスメントガイド(OAG)スコアも差がなかった(Kenney SA 1990 Cancer Nursing 13:345-353)。口腔ケアプログラム(PRO-SELF:一日2回90秒ずつの歯磨きとデンタルフロス使用、30秒の含嗽、口腔観察)により、222人の外来化学療法患者(乳がん、肺がん、その他)を3クール観察した。観察開始時には44%の患者に口内炎が見られたが終了時には26%に減少した(Marylin J 1996 ONF 23(6):921-927)。口腔ケアによる呼吸器感染症予防効果は施設入所高齢者を対象とした研究以外では明らかとなっていない。 オーラル・クライオ・セラピーによる口内炎予防効果は5-FUおよびメルファラン使用例で確認されている。 2.口腔ケア指導媒体の作成 歯牙疾患モデルおよび歯磨き指導ビデオ等を用い、1)口腔ケアの必要性、2)歯磨きを含む口腔ケア方法、3)歯磨きの評価法について、口腔ケア指導用DVDを作成した。 3.口腔ケア介入研究(1) 悪性リンパ腫患者を対象に口腔ケア介入研究を計画していたが、症例数の不足のため対象疾患の拡大を検討している。
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