2003 Fiscal Year Annual Research Report
がん化学療法患者に対する歯磨き指導による口腔合併症予防効果の検討
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14771399
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
狩野 太郎 群馬大学, 医学部, 助手 (30312896)
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Keywords | 口内炎予防 / 口腔ケア / がん化学療法 |
Research Abstract |
1.口内炎及び呼吸器合併症の実態調査 対象:A大学附属病院で過去3年間に入院治療を受けた白血病患者の口内炎発生及び発熱頻度と、関連が予測される要因について診療録および看護記録を元にデータ収集を行った。該当患者15名の合計在院日数2837日にしめる体温37.5℃以上の発熱日数は372日(13.1%)、38℃以上の発熱日数は217日(7.6%)であった。白血球数500/μl以下の病日にしめる38℃以上の発熱の割合は19.7%、1000/μl以下では13.9%、2000/μl以下では9.8%であった。発熱に関係する要因を分析するため白血球500/μl以下、食事摂取量5割未満、総タンパク6g/dl未満、寛解導入療法を説明変数として二項ロジステイック回帰分析を行ったところ、食事摂取量5割未満がオッズ比3.6、総タンパク6g/dl未満がオッズ比4.3となり、栄養状態の低下が関連していることが明らかとなった。しかし、発熱の原因については細菌培養検査結果が陰性である場合も多く、特定不能であった事例が多かった。口内炎発生頻度については記録不備が目立ち解析不能であった。今後はJapan Clinica1 Oncology Group(JCOG)の副作用判定基準等を用い、食事量や排泄状態同様に経日的観察と記録を行うべきである。 2.口腔ケア介入研究 対象:A大学附属病院およびB病院において、CHOP療法中の悪性リンパ腫患者を対象にブラッシング等の口腔ケア指導を行い、口腔衛生状態と口内炎発症の関係を1治療サイクル(約2週間)観察した。現在8名の調査を終了した。治療開始後4-6日の時点で歯垢残存が目立った対象者が2名見られた以外は、全員が良好な口腔衛生状態を示した。自覚症状及び口腔粘膜所見からも口内炎発症者は見られなかった。
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