2002 Fiscal Year Annual Research Report
稀な先天異常をもつ子どもと両親への効果的な看護介入に関する研究
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14771414
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
飯野 英親 山口大学, 医学部, 助手 (20284276)
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Keywords | 先天異常 / 看護介入 / 遺伝看護 |
Research Abstract |
先天異常をもつ子どもとその両親のケアニーズを理解し,看護介入の分析を行うために,疾患・合併症別の成長・発達段階に沿った医療・看護ケアの分布と両親の社会心理的変化を明らかにするため,山口県内の場合は月1,2回の小児遺伝外来を拠点に追跡調査している.調査内容は患児の病状変化,状態観察,前回外来受診時から受けた詳細な看護ケア,検査,処置,その他の診療などである. 【現時点までの結果】対象者(N=20)の概要は,子どもの平均年齢±SDは3.7±4.6歳(4か月-8歳),疾患は染色体異常または奇形症侯群11人,遺伝性疾患7人,その他1人(舌小帯短縮症1人),診断未確定1人.第一子が先天異常児だったケースは9人,第二子のケース9人,第三子のケース1人,第六子のケース1人.本年度は成長・発達段階に沿った医療・看護ケアの分布を追跡調査しながら,両親の心理的変化(特に不安内容の推移)を明らかにし,報告した.外来受診可能な先天異常児をもつ両親の約8割が子どものことで何らかの不安をもち,その内容は子どもの将来の自立した生活に対する不安と子どもの身体に対する不安が多くを占めていた.子どもの将来の自立した生活に対する不安をもつ両親は,比率としては子どもの年齢が6-8歳未満の両親が高かった.また,1歳未満の乳児をもつ父親の不安はすべて子どもの将来の自立した生活に対する不安で,子どもの誕生後早い時期から将来を心配する傾向を認めた.両親一人当たりの相談相手数は約2人で,母親の相談相手数は父親と比較して1.5倍で,9割以上の両親が身近な人か公的機関に相談をしているが,身近な相談者,相談できる公的機関をもたない両親が約1割存在することが明らかになった.以上の結果から,相談相手・機関を持たない両親に対しての看護介入の重要性が示唆された.
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Hidechika Iino, Masato Tsukahara, Kyoko Murakami, et al.: "Genetic Education in Baccalaureate and Associate Degree Nursing Programs in Japan"Nursing and Health Sciences. 4(4). 173-180 (2002)
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[Publications] 飯野英親, 村上京子, 辻野久美子, 塚原正人: "先天異常児の養育に対する母親の認識"第1回日本遺伝看護研究会学術集会プログラム・抄録集. 1. 7 (2002)
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[Publications] 飯野英親, 村上京子, 辻野久美子, 塚原正人: "先天異常児をもつ両親の不安と相談相手に関する調査研究"第22回日本看護科学学会学術集会プログラム集. 265 (2002)