2002 Fiscal Year Annual Research Report
精神科外来における看護活動の実態に関する研究〜看護相談に焦点を当てて
Project/Area Number |
14771427
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Research Institution | University of Shizuoka |
Principal Investigator |
石村 佳代子 静岡県立大学, 看護学部, 助手 (40295564)
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Keywords | 精神科外来 / 外来看護活動 / 精神障害者 / 看護相談 / 概念分析 / 持っている力 |
Research Abstract |
平成14年度は、精神科外来における看護活動の実態を調査し、その役割と機能を明らかにする目的で、質問紙による調査の実施計画を立てた。現在、質問紙は作成準備中である。その前段階として、平成14年度においては、精神科外来における看護活動の対象となる精神障害者の障害特性に関する概念分析を実施した。したがって、本研究実績報告としては、実施した概念分析の過程とその結果ならびに精神障害をもつ人への援助におけるその概念の適用について、以下に提示する。次年度は、これらを基盤として、精神科外来における看護者独自の援助方法を見出していく予定である。 精神障害をもつ人への援助に適用する概念の検討〜Inner strengthの概念分析を通じて 精神障害論の変遷をたどると、最近ではその人の能力や長所に注目しようというstrength modelが提唱されてきている。そこで、その変遷を受け、その人の「持っている力」をinner strengthに置き換え、その概念分析を試みた。 文献は、1992年から2002年までの11年間のPub MedとCINAHLを用い、そして検索用語は、inner strengthとnursingとの掛け合わせにて検索した。その結果、28件が抽出できた。そのうち入手可能であった18件を分析対象として、概念の属性・先行要件・帰結・関連する概念などを明らかにした。概念分析の結果として、どのような人生体験があろうとも、inner strengthを支えることができれば、次のステップに進めたり、今までとは異なった健康の感覚を獲得できる可能性の存在が考えられた。この視点は、対象がどのような状況・状態であっても共通するものであり、精神障害をもつ人への援助を考える際にも、「持っている力(inner strength)」に焦点を当てていくことの有用性が示唆された。 以上より、次年度は対象の障害特性を踏まえた援助方法を見出していく際に、上述に示す概念の適用を試みる予定である。
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