2002 Fiscal Year Annual Research Report
神経難病患者と密接に関わる看護者をBurnoutに導く要因の構造化〜看護者の臨床体験の分析より〜
Project/Area Number |
14771431
|
Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
安東 由佳子 北里大学, 看護学部, 助手 (50314745)
|
Keywords | Burnout / 神経難病 / 看護師 / 体験 |
Research Abstract |
研究開始にあたり、既存の文献を概観した。現在までに解明されているBurnout要因は、環境や個人の特性など、数量的研究により明らかになる現象に留まっていた。心理的・対人的要因が緊密に関与していることが示唆されながらも、継続研究がされていないため、実際には看護者が人間関係の中でどのような体験をしながらBurnoutに陥っていくのかは明らかにされていない。一方、看護師のストレスについての研究では、ストレスがどのような体験の中で生じていくかについて、帰納的研究による現象の解明が、ここ2〜3年の間に取り組まれ始めている。ストレスはBurnoutを招き、Burnoutは看護の質の低下や離職につながる。よって今後は、これらの研究成果を踏まえ、Burnoutに導く要因を、帰納的・質的研究により更に具体的に詳細に解明する必要があると考える。 初年度にあたる本年は、研究の第1段階(看護者のBurnout度の実態調査)のための質問紙の作成、対象施設の選定、質問紙の郵送を行った。質問紙の内容は、MBIスケールを用いたバーンアウト度・ナーシングストレススケール・社会的スキル尺度から成る選択肢方式によるものと、自由記述方式による看護師の体験の記述とした。神経内科病棟をもっている国立療養所病院の中から、無作為に選んだ14施設に研究協力依頼をしたところ、9施設から研究協力可能との返信があった。平成15年1月〜2月に了承の得られた各施設に質問紙を配布した(配布部数:284)。2月末現在159部の回答を回収しており、なお若干の追加を待機中である。また、研究の第2段階(面接法による看護者の体験の解明)については、無作為に選んだ6施設に研究協力依頼をしたところ、1施設より研究協力可能との返信があった。現在、了承の得られた施設に所属の看護師らに研究協力を依頼中である。
|