2002 Fiscal Year Annual Research Report
院内患者学習センターでの心理教育的支援活動の実施と評価-造血器腫瘍患者を対象に-
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14771434
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Research Institution | St. Luke's College of Nursing |
Principal Investigator |
下枝 恵子 聖路加看護大学, 看護学部, 助手 (90299991)
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Keywords | 造血器腫瘍患者 / 外来患者 / 心理教育 / グループ / 不安 / 抑うつ / ストレスコーピング / Representational Approach |
Research Abstract |
本研究は3ヵ年計画を通じて、地域で安心した生活を送ることを目的に造血器腫瘍患者を対象とした心理教育的支援活動を病院内の「患者学習センター」に確立することで、そこでの活動内容の充実を目指すものである。平成14年度は心理教育プログラムの教材、実施マニュアルの作成と、アウトカム指標を検討した。 プログラム内と構造の検討:プログラムの内容を検討するため、文献検討および造血器腫瘍のエキスパートの看護師・医師と患者へのインタビューを行った。その結果より、プログラムの内容は、(1)血液の働き、(2)病気と治療、(3)ストレスが生じる原因と影響、(4)安心して生活する方法、(5)これからの生活、の5つのテーマを設定した。プログラムの構造は、Yalomのグループの特性を活かし、集団による効果的な構造を参考にした。1グループの参加者は4〜8名とし、参加スタッフは原則として看護師2名(研究者を含む)と専門医1名とする。1クール5回セッションで、毎週1回、1回90分とする(1回目はのみ120分)。 プログラム教材と実践マニュアル作成:プログラム教材は、5つのテーマに沿って本研究者が1セッション3,4枚程度の配布資料を作成。教材として活用する資料は、読みやすく、親しみやすさを出すために、文字は大きく、絵などを取り入れたものを作成。プログラムの流れはRepresentational Approachの技法を用い各回のテーマに沿って前半をディスカッションとし、後半は情報提供と質疑応答の時間にあてる。 アウトカム指標の検討:プログラム評価目的で使用するために、患者の情緒的安定、対処能力の向上、参加満足度をアウトカムとした。そのため・自記式質問紙である(1)属性データ、(2)日本版POMS、(3)コーピング尺度、(4)シャイネス尺度、(5)自尊感情尺度、(6)感想用紙と、セッション中の会話の録音データを用いて行うこととした。 平成15年度は作成したプログラムの有効性を検討する予定である。
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