2003 Fiscal Year Annual Research Report
精神分裂病患者の主体的回復をめざした服薬心理教育グループの長期効果
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14771435
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Research Institution | Nagano College of Nursing |
Principal Investigator |
水野 恵理子 長野県看護大学, 看護学部, 助教授 (40327979)
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Keywords | 統合失調症 / 服薬心理教育 / 病的体験 / 治療への構え / 回復過程 / 精神看護 / 外来通院 / 病状管理 |
Research Abstract |
本研究の目的は、3ヶ年計画の全体を通じて、精神科急性期病棟入院中に服薬心理教育グループに参加した統合失調症患者の退院後1〜2年間をフォローアップし、患者の病的体験の意味を探りつつ、心理教育の長期効果を検証することである。平成15年度は、外来通院継続患者を対象に、2〜3ヵ月ごとに服薬質問紙、病識評価尺度、BPRSを用いた半構成的面接を行うとともに、承諾を得られた者については、外来服薬サポート・グループ(以下、サポート・グループ)を実施し、面接内容およびグループ・プロセスの記述内容を質的に分析することであった。 現在までのところ、平成14年度からの研究対象者6名のうち、転院のため退院後1回のみの面接が2名、残り4名は平成15年4月〜平成16年2月までの期間、約3ヶ月おきに2〜4回の面接を継続している。また、サポート・グループについては、これらの対象者から参加の承諾を得られなかったため、平成11〜13年度に実施した服薬研究の対象者のうち通院継続中で承諾を得られた6名に、外来面接とサポート・グループを2回実施した。 その結果、患者は過去の入院に至った経緯をふりかえり、日々の体調や気分の変化を自覚することと実社会での刺激によって精神病であるのかそうでないのかの揺れを体験し、服薬意識については、特に家族や友人の服薬に対する見方に影響を受けていることが推測された。また、初回入院患者の場合は、自分と他の外来通院者との違いを主張し、患者同士の交流を拒否していた。さらに、"外来通院と服薬継続の再確認""無理なく地域生活を送るコツ"をテーマとしたサポート・グループの参加者は、退院後1〜3年経過しているが、その間、全員再入院することなく、通院や服薬を生活の一部としてとらえ地域生活を送ることができていた。 平成16年度も引き続き、外来面接とサポート・グループを継続し、患者の体験する病いからの回復過程と看護援助、サポート・グループのプログラム内容について吟味する予定である。
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