2002 Fiscal Year Annual Research Report
看護介入としての漸進的筋弛緩法のリラクセーション効果に関する縦断的研究
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14771437
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Research Institution | Jikei University School of Medicine |
Principal Investigator |
間瀬 由記 東京慈恵会医科大学, 医学部, 講師 (60256451)
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Keywords | 斬新的筋弛緩法 / リラクセーション / 心臓自律神経機能 / 感情プロフール / 新人看護師 |
Research Abstract |
【目的】新人看護師が漸進的筋弛緩法(以下PMR法)を8週実施した際の生理的、感覚認知的反応と経時的変化を明らかにすることを目的とした。 【方法】1.対象:経験3年未満の病棟勤務看護師5名(22〜25歳の女性)。2.測定指標:(1)自律神経活動は、Heart Scanner(BIOCOM社)により右耳朶脈波を測定し、時系列解析は24時間洞周期RR間隔の標準偏差値(SDNN)を、スペクトル解析(FFT法)は高周波成分領域(HF)及び低周波領域成分(LF)のHFに占める割合(LF/HF)の比率を算出し比較した。(2)感覚認知的指標はPOMSのT得点を比較した。3.手順:PMR法(16筋群)教示テープによる1日1回以上の練習を依頼し、初回、2・4・8週後に測定した。4週終了から4筋群の簡易法を練習し、8週後は簡易法で測定した。POMSに記録後、仰臥位10分間閉眼安静とし開始前5-10値を基準値とした。PMR法実施後、仰臥位10分閉眼安静をとり0-5分値、5-10値を測定した。4.分析:対象数が少いため事例検討とした。5.倫理的配慮:趣旨、方法、匿名性の確保、途中参加中止の保障などを書面で説明し同意書を得た。 【結果・考察】1.自律神経活動:SDNNは2週後に3例、4週後に2例で5-10分値の継続上昇を示した。HFは値がばらついたが、2もしくは4週で5-10分値の継続上昇を示した。LF/HFは5例とも基準値より上昇したが、上昇幅は4週後が最も小さかった。8週後の測定値には一定の傾向が見いだせなかった。2.POMS:5例とも2、4週の「活気」が上昇し、3例ではその他の全項目が低下した。新人看護師においてPMR法練習開始から2〜4週で副交感神経機能亢進や「活気」の上昇を示し効果が認められた。しかし練習回数が週1〜5回と幅があり効果発現期間や簡易法の効果については対象数を増やし再検討が必要である。
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