2002 Fiscal Year Annual Research Report
野菜類に含まれるフラボノイド配糖体の小腸内における加水分解に及ぼす食事成分の影響
Project/Area Number |
14780071
|
Research Institution | Osaka Kyoiku University |
Principal Investigator |
井奥 加奈 大阪教育大学, 教育学部, 助教授 (40243282)
|
Keywords | β-グルコシターゼ / ケルセチン / フラボノイド |
Research Abstract |
本年度は栄養成分の中から、特に水溶性成分である糖質(グルコース)、ビタミンC、タンパク質(卵白アルブミン)を選び、それらがケルセチン配糖体を基質とするラット小腸由来のβ-グルコシダーゼ活性に及ぼす影響について検討した。 最初にβ-グルコシダーゼの存在箇所について検討するため、6週令オスのSDラットの小腸内膜をかきとり、そのまま抽出した場合とホモジナイザーを用いて細胞膜を破砕した後に抽出した場合で酵素活性を比較した。その結果、細胞膜を破砕する抽出方法の方がケルセチン配糖体に対する加水分解活性は有意に高く、β-グルコシダーゼは小腸表面にもある程度存在するが、小腸内膜にも存在することが明らかになった。そこで、以降の実験はホモジナイザーを用いて酵素を抽出することとした。 次にタンパク質の変性に対する効果を検討するため、ケルセチン配糖体として加水分解活性の高いQuercetin-4'-glucoside(Q4'G)を用い、卵白アルブミン共存下で加熱したものとしないものについて加水分解活性を比較検討した。その結果、加熱の有無による加水分解活性の差はみられず、タンパク質の変性にともなうQ4'Gの吸着は起こっていないのではないかと推測できた。なお、これに関しては、Quercetin-3,4'-diglucoisidesのように糖の多い配糖体に関して次年度に検討する予定である。ビタミンCに関してはQ4'Gの500倍多く添加しても酵素活性に影響がみられなかった。また、グルコース添加の場合は、100倍程度の添加で加水分解活性促進効果が、300倍以上の添加で抑制効果が見られたが、これに関しては他の糖の影響についても検討したいと考える。
|